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分野別対策 文章題書き取り問題その23

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[えんゆうきゅうたんしゃかたいこうらそつ]

◇人夫の話では、此の懸崖の下の小沢に沿うて大白沢山へ登れるそうである。瀑から五、六町も下った所で、約一町許りの間沢は伏流となっている。四、五十分も下ると又瀑があって、上のものは三丈余り下のものは二丈余り、両瀑の間二十間程(1.)をなしている。右岸の崖の上を高廻りするので、通過に十五、六分を要した。又一町も下ったろうと思う頃三丈近い瀑があり、夫が一曲して又五、六丈許りの滝となり、岩面を(2.)しているさまが美事である。(木暮理太郎「利根川水源地の山々」より)

◇薫子の書は既に印行せられたことがある。…(中略)…新聞は尾佐竹氏が蔵している。上に載する所は倉知本を底本とし、遠近新聞の謄本を以て(3.)した。二本には多少の出入がある。倉知本の自筆なることは稍疑わしい。(森鴎外「津下四郎左衛門」より)

◇大師の時代には、左街に興慶宮――或いは南内ともいう――が出来た為、坊数は多少減少した。一体に左街には宮殿や(4.)が多く、又勲貴官吏らの邸宅多くて淋しい。之に反して右街は商売の住居が多くして繁華であった。坊と坊との間には、何れも我が四五十間幅の道路があった。四つ辻の場所には、我が交番所に比すべき武候鋪というのが設置され、そこに派遣されて居る(5.)が、城内の警察を掌った。誠に規模堂々たるもので、この時代に於ける世界の尤も立派な大都会であったと思う。我が平城・平安の二京の整然たる設計は、長安のそれを模倣したこと申す迄もない。(桑原隲蔵「大師の入唐」より)

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語群(6~10):[くんゆうげいごしどてんこくふびん]

◇じっと考えて見ると私の頭の中には種々葛藤があった。之を明るみに出して見たら自分乍ら鼻持ちのならぬようなものが沢山ありそうに思えた。「さながら成仏の姿なり」と言った仏家の言をここでも思い出して、即ち此の善悪混淆、(6.)同居の現状其のままが成仏の姿だと解釈した。(高浜虚子「落葉降る下にて」より)

◇「或いは人を天上に揚げ或いは天を(7.)に下ろす」と詩の理想は即是也。詩は閑人の(8.)に非ず、詩は彫虫(9.)の末技に非ず。既往数百年間国詩の経歴に関しては余将何をか曰わん。思うに所謂新体詩の世に出でてより僅かに十余年、今日其の稚態笑うべきは自然の数なり。然れども歳月遷り文運進まば其の不完之を将来に必すべからず。詩は国民の精髄なり、大国民にして大詩篇なきもの未だ之あらず。本邦の前途をして多望ならしめば、本邦詩界の前途亦多望ならずんばあらず。本書収むる所余が新旧の作四十余篇素より一として詩の名称を享受するに足るものあらず。只一片の微衷、国詩の発達に関して繊芥の貢資たるを得ば幸のみ。著者(10.)と雖も自ら僭して詩人と為すの愚を学ぶものに非ず。(土井晩翠「天地有情」より)

<ヒントの表示(6~10)>



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コメント

むずかちかった

こんにちは

とても難しかったですが楽しかったです。
この文章題は相性が悪かったと思うことにします(汗)

2と4に「しゃか」「えんゆう」をどう当て込むかで悩みました。
音から出てきた熟語が「瀉下」「奢家」「奄有」この時点で 園囿/苑囿はまったく浮かびませんでした。

そのため、2.「奄有」滝が岩面を覆い尽くすほど独占してぐらいの意味で、こういう使い方もあるのかな~と(汗)
4.「奢家」豪華な家で意味合うしな~と。

10.何も考えず「不憫」に・・・

数学ばかりやっていて「漢字脳」が弱っているのかな~

ありがとうございました!

  • 2018/09/28(金) 09:26:54 |
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  • rikuroku #-
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不敏な出題、失礼しました(笑)

rikurokuさん、コメントありがとうございます。
今回は難問だったようですね💦

滝の話だったので、そこから「瀉下」を先に埋められれば何とかなったかもしれませんね。
ちなみに、本試験H29-1の文章題で「朝宗」が話題になりましたが、直前にも「滝の瀉下すること恰も~」という表現がありました。
選択形式でなければ、どちらも正解されたのではないでしょうか…?

「不敏」は完全にヒッカケ問題でしたね(苦笑)

こちらこそありがとうございました😊

  • 2018/09/28(金) 10:12:00 |
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  • 2018/09/29(土) 05:40:45 |
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「貢資」の意味

コメントありがとうございます。
初めまして…でしたでしょうか?

「貢資」ですが、辞典には説明が見つかりませんでした。
推測で申し訳ありませんが、漢字の意味から単純に考えると「貢(みつ)ぎの資(もと)」ということでしょうか…?
ここでは、直前で「本書の詩は詩と呼べるものではない」と謙遜しているので、例えば「(本書の詩が)国詩の発達に対する、ちょっとした"貢献するような資財"となれば幸い」という感じで解釈すればよいかと思います。

漢字の意味を基に、全体の雰囲気がつかめれば、(辞書に無いような)単語の意味は然程重要ではないと思いますので、前後と合わせて意味を感じ取っていただければと思います。

また、ご質問などありましたら、お気軽にお声掛けください。
ありがとうございました。

  • 2018/09/29(土) 09:53:07 |
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ありがとうございます

ありがとうございます
いつもブログ拝見させて頂いております
単語の意味ばかりに気を取られてはダメですね
仰る通りです
また質問させて下さい

  • 2018/09/29(土) 12:32:40 |
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こちらこそありがとうございます

弊ブログをいつもご覧いただいているようで、大変光栄です。

単語の意味は、勿論大事なものもありますが、場合によっては筆者の造語ということもありますから、気にしすぎには注意したいですね。
漢検学習に限って言えば、幾つかの辞書で調べて分からないものは、読みと何となくの意味さえ分かれば大丈夫だと思います。

ご質問いただいて、改めて文章を理解するきっかけになり、私も勉強になりました。
こちらこそありがとうございました。
またいつでもお気軽にご質問ください😊

  • 2018/09/29(土) 13:18:59 |
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