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分野別対策 文章題書き取り問題その21

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[かんぜんさんしゃそほんひほひれき]

◇銅貨のトリックは外国の探偵小説からヒントを得たのであるかもしれぬが、点字と六字の名号とを結び付けた手腕は敬服の外はない。この点は地下のポオも恐らく(1.)を避くるであろう。由来日本語を表す暗号には巧妙なものが少なく、この暗号は正に従来作られた暗号中の白眉と言ってよかろう。その他筋の運び方、描写の筆致など、どの点にも(2.)する所がない。(小酒井不木「『二銭銅貨』を読む」より)

◇一体司馬遷の事蹟は『史記』巻百三十の太史公自序と、『漢書』巻六十二の司馬遷伝とを、第一の史料とする。太史公自序は司馬遷の自伝であるから、彼の事蹟に就いては十分詳実なるべき筈であるが、実際は必ずしも左様でない。司馬遷の(3.)なる頭脳と、豪放なる筆致とは、記載せざるべからざる事項をも省略し、明確とせざるべからざる事項をも曖昧にして居る。班固の司馬遷伝も「報任安書一篇」の増補を除けば、その他は太史公自序の無責任なる鈔襲のみで、上述の欠陥に就いて、何等(4.)する所がない。要するに『史記』と『漢書』とのみでは、司馬遷の事蹟を正確に知ることが出来ぬ。私は不確実なる司馬遷の事蹟の中で、彼の生年に就いて、聊か所見を(5.)したい。『史学研究』の創刊に際して支那史学の開祖たる司馬遷に関する事蹟を紹介するのは、寧ろ適当なる題目かと思う。(桑原隲藏「司馬遷の生年に関する一新説」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[かいいしゅたくそうこはいたいはつだ]

◇具体的に司馬遷の年を伝えて居る資料は、『史記索索引』と『史記正義』とのみである。『史記索索引』は『博物志』に拠って、元封三年(西暦前一〇八)に於ける司馬遷の年を二十八と註し、『史記正義』は太初元年(西暦前一〇四)に於ける司馬遷の年を四十二歳と註して居る。双方の所伝の間に、十歳の(6.)があって、その儘では到底一致せしむることが出来ぬ。そこで私は『史記索索引』の所伝を根拠とし、王国維は『史記正義』の所伝を根拠とする。王国維説と自説との相違は主として茲に(7.)するのである。(桑原隲藏「司馬遷の生年に関する一新説」より)

◇抽斎は金を何に費やしたか。恐らくは書を購うと客を養うとの二つの外に出でなかっただろう。渋江家は代々学医であったから、父祖の(8.)を存じている書籍が少なくなかっただろうが、現に『経籍訪古志』に載っている書目を見ても抽斎が書を買うために貲を惜しまなかったことは想い遣やられる。(森鴎外「渋江抽斎」より)

◇私の記憶にして誤りなくんば癸亥大震災後、ようやくに文学というもの企業化し、全くのジャーナリズム王国築かれて(9.)世界へ君臨するようになって以来のこととおもう。そのころ(10.)の娯楽雑誌関係者は故石橋思案、森暁紅諸家のごとく、常盤木俱楽部落語研究会の青竹めぐらした柵の中から生まれきた通人粋子に非ずして、大半はこうした世界の教養を持たない地方出身の人々だったから、落語家講談師の一人一人のデリケイトな話風に立ち至ってまで知るよしがない。(正岡容「我が圓朝研究」より)

<ヒントの表示(6~10)>



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コメント

おはようございます。

よくめっかりますねえ、こういう文章。
この形式だけの検定があれば読書量や文学史の能力も問えるものになると思いましたよ。

  • 2018/09/14(金) 09:54:30 |
  • URL |
  • ボクちゃん #7mio2xcs
  • [ 編集 ]

文章探し

ボクちゃん先生、コメントありがとうございます。

文章は、出題したい語を青空文庫の検索フォームで検索して探しています。
検索の仕方で出たり出なかったり、出題しづらい文章ばかり出たりするので、その辺りが厄介ではありますが、根気よく探せば意外と見つかりますね。

この形式だけの検定を作るとすると、今の漢検の形式より更に難易度を一定に保つのが難しいかもしれません💦
どういった文章を使うかでも、趣の異なるものになりそうですね。
ありがとうございました😊

  • 2018/09/14(金) 10:08:12 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

こりゃいい問題

おはようございます。

使われているのはお馴染み?の熟語ですが、
文章題になると意味を取るのがちょっと難しい。

とても勉強になる問題でした。
“しゅたく”音からこれしか浮かびませんでしたが、
「手沢を存す」という表現をするんですね~

ありがとうございました。

  • 2018/09/14(金) 10:10:17 |
  • URL |
  • rikuroku #-
  • [ 編集 ]

文章からの発見

rikurokuさん、コメントありがとうございます。

文章題だと様々な表現で出題できるので、柔軟に考える必要がありますね。

「父祖の手沢を存じている書籍」という表現は面白いですね。
単に「父祖の手沢本」というのとは違った雰囲気を感じます。

ちなみに、同じ文章に出ていますが、「貲」という字は意外と文章で使われますね。
「資」で通じてしまうと思うので、漢検的にはそこまで重要な字ではありませんが、面白いと感じました。
文章を色々と読んでみることで気付くことも多くありますね。

こちらこそありがとうございました😊

  • 2018/09/14(金) 10:28:27 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
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