語群(1~5):[かっけい、きょうじ、きょうどう、しょうすい、りょうかく]
◇中村・沢目・蘆谷村と云うは、岩木山の崥(ふもと)にして田畑も多からねば、炭を焼き薪を樵りて、(1.カッケイ )の一助となす。此の里に九助という者あり。常の如く斧を携えて山奥に入り、柴立ちを踏み分け渓水を越え、二里ばかりも躋りしが、(2.リョウカク)たる平地に出でたり。
…(中略・九助は伝説の恐ろしい巨人に出会い不思議な体験をする)…
其の時同じ業の者、手に手に薪を負いて樵路を下り来るに逢い、顚末を語り介抱せられて家に帰り着きたりしが、心中鬱屈し顔色(3.ショウスイ)して食事も進まず、妻子等色々と保養を加え、五十余日して漸く回復したりと也。(柳田国男「山の人生」より)
◇福沢翁には吾人、「純然たる時代の(4.キョウジ )」なる名称を呈するを憚らず。彼は旧世界に生まれながら、徹頭徹尾、旧世界を抛げたる人なり。彼は新世界に於いて拡大なる領地を有すると雖も、その指の一本すらも旧世界の中に置かざりしなり。彼は平穏なる大改革家なり、然れども彼の改革は寧ろ外部の改革にして、国民の理想を(5.キョウドウ)したるものにあらず。此の時に当たって福沢氏と相対して、一方の思想界を占領したるものを、敬宇先生とす。(北村透谷「明治文学管見」より)
<ヒントの表示(1~5)>
語群(6~10):[かんぱつ、こんたい、せいとう、ちしつ、らんだ]
◇凡そ外交問題ほど国民の元気を(6.カンパツ)するものはあらざる也。之なければ放縦(7.ランダ )安逸虚礼等に流れて、覚束なき運命に陥るものなり。徳川氏の天下に臨むや、法制厳密にして注意極めて(8.セイトウ)、之を以て三百年の政権は殆ど王室の尊厳をさえ奪わんとするばかりなりし、然るに彼の如くもろく仆れたるものは、好し腐敗の大いに中に生じたるものあるにもせよ、吾人は主として之を外交の事に帰せざるを得ず。而して外交の事に就きても、蓋し国民の元気の之に対して悖として興起したることを以て、徳川氏の(9.コンタイ)を抜きたる第一因とせざるべからず。
国民の精神は外交の事によって覚醒したり。其の結果として尊王攘夷論を天下に瀰漫せしめたり、多数の浪人をして孤剣三尺東西に漂遊せしめたり。幕府衰亡の顚末は、桜痴居士の精細なる叙事にて其の実況を(10.チシツ )するに足れり。吾人は之を詳論するの暇なし、唯吾人が読者に確かめ置きたき事は、斯の如く覚醒したる国民の精神は、啻に徳川氏を仆したるのみならず、従来の組織を砕折し、従来の制度を撃破し尽くすにあらざれば、満足すること能わざること之なり。(北村透谷「明治文学管見」より)
<ヒントの表示(6~10)>
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1.活計
2.寥廓/廖廓 (大見出しでない)
3.憔悴
4.驕児
5.嚮導
6.煥発
7.懶惰/嬾惰
8.精到 (大見出しでない)
9.根蔕 (大見出しでない)
10.知悉
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