今回も直前のチェック用に、記事形式で模試を公開したいと思います。
前回の直前模試と同じく、月~金の5日間で40点分ずつ分けて出題します。
過去2回、本試験での難化が進みました。
そのため、直前模試で高得点でも、本試験では合格に届かないということが多くありました。
そこで今回は糠喜びにならないよう難問をこれまでより多めに入れて作成しました。
第二版の訓読みなども、他の辞典や青空文庫の使用例を参考に入れています。
過去問割合はそこまで高くないので、点差は大きくなると予想しています。
ただそれでもまだ本試験ほどの難易度にはなっていないように思うので、合格ラインは160点台後半ぐらいかと思っています。
飽くまで個人の予想ですが、H29-2と同じような出題だった場合…
~159:合格は厳しいかも…(勿論易化すれば可能性あり)
160~165:ミスを無くせば合格できるか
166~170:合否ラインはこのあたりか
171~174:十分に可能性あり
175~:字体ミスが無ければ恐らく心配ないレベル
ちなみに、本試験180点以上を目指すには、今回の模試での目標は190点ぐらいかと思っています。
いずれにせよ、点数は飽くまで目安ですので、気にしすぎることのないようお願いします。
特に「模試の点数が低かったので、本試験の受検を諦める」ということだけは絶対にしないでいただきたいと思っています。
尚、金曜日に記事が全てが出揃いますが、出題に不備が無いことが確認され次第、PDFに纏めたものを出す予定です。
一度に全問挑戦したいと思われる方は、金曜夕方頃までお待ちいただいて、PDF版で挑戦していただければと思います。
それでは本日分の出題です。
本日は、「(五)熟字訓・当て字」(10点満点)と「(九)文章題」(30点満点)です。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
(五)熟字訓・当て字
1.檸檬
2.香蕈
3.直衣
4.孑孒
5.角力
6.後朝
7.青竜蝦
8.狗母魚
9.莫斯科
10.没分暁漢
(九)文章題
嘗て聞く、士に貴ぶ所のものは気節なり、気節なきは士に非ず。今や時勢滔々1.シャシに流れ、人心華美をア.衒う。ここに於いてか天下の士、気節の貴ぶべきをイ.遺れて、黄金ウ.光暉の下に2.ハイスウす。夫黄金は士気を麻痺するの劇薬、名節を変換するの熔炉なり。今の士相率いて、媚を権門に納れ、款を要路に通ずるは、其の求むるところ功名聞達よりも、むしろ先ず黄金を得んと欲するの心急なればなり。その境遇や憐れむべし。其の志操や卑しむべし。しかるに天下一人の、是が頽れを挽回するの策を講ずるなし、却って斯の気運を煽動し、人才登用を名として、為に門戸を啓き、名望あるの士を迎えてエ.啖らわしむるに黄金を以てし、籠絡して自家の藩籬に入れ以て使嗾に供せんと欲す。ああ銅臭、否鉱毒の感染する所、士の高節清操をオ.糜爛せしむ。豈慨歎に堪ゆべけんや。況んや其の弊害の及ぶ処、惹いて世運の進歩を妨げ、国威の拡張を障(さそ)うる事、決して浅少に非ざるをや、速やかに眼前に横たわるのカ.蠧賊を除き、士風の3.イビを振るい、社会の昏夢を警醒せんと欲し、4.ザンカンの策を決行す。伏して惟(おもんみ)るに先生の盛徳実に是国士無双、謙譲以て人を服し、勤倹以て衆を率ゆ。加うるに経世の略、5.リョウリョウの節、今の時に当たって先生を外にして、将誰にかキ.竢つあらん。而も猶且つ其の隙を覗い、名望高節を傷つけんと試むるものあるに非ずや。
嘗て聞く、士に貴ぶ所のものは気節なり、気節なきは士に非ず。今や時勢滔々1.シャシに流れ、人心華美をア.衒う。ここに於いてか天下の士、気節の貴ぶべきをイ.遺れて、黄金ウ.光暉の下に2.ハイスウす。夫黄金は士気を麻痺するの劇薬、名節を変換するの熔炉なり。今の士相率いて、媚を権門に納れ、款を要路に通ずるは、其の求むるところ功名聞達よりも、むしろ先ず黄金を得んと欲するの心急なればなり。その境遇や憐れむべし。其の志操や卑しむべし。しかるに天下一人の、是が頽れを挽回するの策を講ずるなし、却って斯の気運を煽動し、人才登用を名として、為に門戸を啓き、名望あるの士を迎えてエ.啖らわしむるに黄金を以てし、籠絡して自家の藩籬に入れ以て使嗾に供せんと欲す。ああ銅臭、否鉱毒の感染する所、士の高節清操をオ.糜爛せしむ。豈慨歎に堪ゆべけんや。況んや其の弊害の及ぶ処、惹いて世運の進歩を妨げ、国威の拡張を障(さそ)うる事、決して浅少に非ざるをや、速やかに眼前に横たわるのカ.蠧賊を除き、士風の3.イビを振るい、社会の昏夢を警醒せんと欲し、4.ザンカンの策を決行す。伏して惟(おもんみ)るに先生の盛徳実に是国士無双、謙譲以て人を服し、勤倹以て衆を率ゆ。加うるに経世の略、5.リョウリョウの節、今の時に当たって先生を外にして、将誰にかキ.竢つあらん。而も猶且つ其の隙を覗い、名望高節を傷つけんと試むるものあるに非ずや。
今や国家実に多事、内治に外交に、英雄の大手腕を要するもの、什佰にして足らず。而も出処進退其の6.キギ一髪を誤らば、彼の薄志弱行の徒と、其の軌を一にし、其の笑いを後世にク.貽さんのみ。豈寸行隻言も、慎重厳戒せざるべけんや、須らく持長守久の策を運らし、力めて、人心を7.シュウランせよ。人心の帰する所、天命の向かう所には、大機自ら投ずべし。その大機に会し、大8.ケイリンを行い、大抱負を伸べて、根本的革進を企図するも、未だ遅しとなさざるにあらずや。9.コウコウの児敢えて吻喙を容るるの要なきを知る、知って猶且つ是をいう、是深く天下の為に竢つところあればなり。
顧(おも)うに生や師恩に私淑し、負う所のもの太だ多し。然るに軽挙暴動、妄りに薫陶の深きにケ.負く。其の罪実に軽しとせず。然れども生が此の過激蛮野の行為を辞せず、一身の汚名を賭して、10.ビチュウを吐露し、敢えて一言を薦むるものは、聊か深厚の知遇に酬ゆるに外ならず。コ.冀わくは之を諒せよ。門下生某泣血頓首。(清水紫琴「誰が罪」より)
<解答の表示>
(五)熟字訓・当て字
1.レモン
1.レモン
2.しいたけ
3.のうし
4.ぼうふら/ぼうふり
5.すもう
6.きぬぎぬ
7.しゃこ
8.えそ
9.モスクワ
10.わからずや
(九)文章題
1.奢侈
1.奢侈
2.拝趨
3.萎靡/[委靡]
4.斬奸
5.稜稜
6.機宜
7.収攬
8.経綸
9.黄口
10.微衷
ア.てら
イ.わす
ウ.こうき
エ.く
オ.びらん
カ.とぞく
キ.ま
ク.のこ
ケ.そむ
コ.こいねが
明日は「(七)対義語・類義語」と「(八)故事・成語・諺」を出題します。
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