語群(1~5):[かんか、しきいき、じょうぜつ、しょくもく、べいべつ]
◇斯くの如くして彼は、帝室劇詩人の栄職を捨て、父母を離れ、恋人に(1.ベイベツ )して、血と剣の戦野に奮進しぬ。…(中略)…日露(2.カンカ )を交えて将に三閲月、世上愛国の呼声は今殆ど其の最高潮に達したるべく見え候。(石川啄木「渋民村より」より)
◇そんなことから左右田先生とつながりができ、先生が亡くなられて後にも、先生の愛弟子であった本多謙三君と親しくしていたが、その本多君も前途を(3.ショクモク)されつつ先年亡くなってしまったのは惜しいことである。(三木清「読書遍歴」より)
◇さび、しおり、おもかげ、余情等種々な符号で現されたものはすべて対象の表層における(4.シキイキ )よりも以下に潜在する真実の相貌であって、しかも、それは散文的な言葉では言い現すことができなくてほんとうの純粋の意味での詩によってのみ現されうるものである。(5.ジョウゼツ)よりはむしろ沈黙によって現されうるものを十七字の幻術によってきわめていきいきと表現しようというのが俳諧の使命である。(寺田寅彦「俳諧の本質的概論」より)
<ヒントの表示(1~5)>
語群(6~10):[いしゅう、きんしゅう、こうかい、てんか、れんるい]
◇時代の新しい潮波はだんだん飛躍し、労働組合は公認され、巷には労働運動の英雄が出現するに至った。神戸の貧民窟から賀川豊彦君が颯爽として社会の正面に躍り出た。…彼の行くところ、青年子女(6.イシュウ )してその手を握るを光栄とした。彼の声音に接するを誉れとした。支配階級の(7.キンシュウ)綾羅にふれるより、この一青年のボロ服にさわって見るのを喜ぶ奇現象を生んだ。(山本実彦「十五年」より)
◇八丁堀無宿次郎太夫事、次郎吉。天保年間の書きものの小書きに「深川辺徘徊博奕渡世致居候」とある名物男で、泉町の生まれであったから、いずみ小僧といったのを動作が敏捷だったので「ねずみ小僧」と(8.テンカ )したものだろうという説は、正しいかどうか。なんでも二十九の頃から「盗賊相働き屋敷方奥向並長局金蔵等に忍び入り」というから、今の大衆ものの本家である。…(中略)…
そしてその商家大名から盗んだ金は貧民に分けたというのだが、天保三年に捕まった時の、筒井伊賀守組同心相場半左衛門……か誰かに取られた調べ書きでは、その金を自分で「盗金は悪所さかり場にてつかい捨て候」と自供したというのである。(9.レンルイ )が貧民に及んではいけないのでみな自分でかぶったという。(木村荘八「両国今昔」より)
◇往時(むかし)後魏の酈善長(れきぜんちょう)は峻峭(10.コウカイ )にして博覧彊記、天下の奇書を読破して水経の註四十巻を著ししが、後終に陰磐駅に囲まれて水を得ずして力屈し、賊のために殺さるるに至りしことあり。(幸田露伴「水の東京」より)
<ヒントの表示(6~10)>
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1.袂別
2.干戈
3.嘱目/属目
4.識閾 (大見出しで無い)
5.饒舌
6.蝟集
7.錦繡/錦綉
8.転訛
9.連累
10.耿介 (大見出しで無い)
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