今回は、模試で採用しなかった文章題のメモが幾つか見つかったので、そちらから出題します。
問題は書き取りのみ10問です。
文章は比較的平易なもので、難易度はそこまで高くないと思います。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
A いつも紅茶の1.カスが溜まっているピクニック用の湯沸器。2.チツと離ればなれに転がっている本の類。紙切れ。そしてそんなものを押しわけて敷かれている蒲団。喬はそんななかで青鷺のように昼は寝ていた。眼が覚めては遠くに学校の鐘を聞いた。そして夜、人びとが寝静まった頃この窓へ来てそとを眺めるのだった。(梶井基次郎「ある心の風景」より)
B 枚方へくると、敗兵が、堤(どて)の上に、下の蘆の間に、家の中に、3.タイゴも、整頓もなく騒いでいた。大小の舟が、幾十4.ソウとなく、繋がれていたが、すぐ一杯になって、次々に下って行った。…(中略)…
一人が「早馬(はや)だ」と、叫んだ。腹当てへ、大きく「御用」と、朱書きした馬に乗った侍が、雪の5.デイネイを蹴って走ってきた。…(中略)…
前面の野、林、道に、一斉に白煙が、6.モウモウと立ち込めた瞬間、銃声が、山へ素晴らしく反響して、7.トドロき渡った。と、同時に、ぶすっという音がして、土俵へ弾丸が当たったらしかった。近藤は、振り向いて、何処へ当たったか見ようとしたが、判らなかった。びゅーん、と耳を8.カスめた。(直木三十五「近藤勇と科学」より)
C 親不知の断崖を通過する頃、車内の電灯と空の明るさとが同じに感じられた程、夕闇が迫って来た。丁度その時分向こうの隅のたった一人の同乗者が、突然立ち上がって、クッションの上に大きな9.クロジュスの風呂敷を広げ、窓に立てかけてあった、二尺に三尺程の、10.ヘンペイな荷物を、その中へ包み始めた。それが私に何とやら奇妙な感じを与えたのである。(江戸川乱歩「押絵と旅する男」より)
<答えの表示>
1.滓/渣
2.帙
3.隊伍
4.艘
5.泥濘
6.濛濛/朦朦
7.轟
8.掠
9.黒繻子
10.扁平
- 関連記事
-
-
推測語選択 その2 2017/07/08
-
文章題(「東京新繁昌記」から) 2017/07/04
-
ボツになった文章題 2017/06/27
-
推測語選択 その1 2017/05/21
-
漢字抜け熟語(その3/4)の復習 2017/05/14
-