まだ標準解答は分かっておりませんので、解答は「漢検1級 平成29年度 第1回 答え合わせ」の記事を参考にさせていただております。
長いので折りたたみました。
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まずは、一言…
今回の出題者、ゴルルルルルルァァァァァァッッッッッ!!!💢💢💢
ハァ…
ハァ…
ハァ…
…コホン。失礼、少々取り乱しました。
これは勿論、出題者が多くの受検者の努力を踏みにじったことに対する怒りです^^;
今回悔しい思いをされた方も、是非叫んでみては?(笑)
…とまあ、おふざけはこれくらいにして…(苦笑)
今回の出題は正直違和感だらけでした。
一つ一つは大した違和感ではなく、これまでにも多少はあったものですが、突然傾向が変わったかのように各設問で「ん?」と思う部分があったのは流石に問題があるのではないかと考えています。
具体的に気になった部分を順番に触れていきたいと思いますが、あまりにも多いので長いです(汗)
(ついでに弊ブログの対策情報にも触れています。)
過去問を徹底的に調査したわけではないので、これまでにも同様の出題があった可能性もあると思います。
その点は十分ご注意ください。
(一)音読み
これまでは各回少しだけしか出題されなかったトリッキー(?)なものが多い印象でした。
・常用漢字の表外音→「岡」「繊」「漬」
・呉音や唐音→「偈」「繊」
・音が複数でややこしい→「偈」「孛」「繳」
・四文字→「蓖麻子油」
こういったものには対策が出来なかった方もいらっしゃったと思います。
また、最後の「蓖麻子油(ひましゆ)」は、「しゆ」の書き忘れの可能性がありますが、「蓖麻」じゃ駄目だったんでしょうか…。
弊ブログの出題で対応可能な問題は15問ほど。
音読みの記事を増やしたにも関わらず前回より減ったような気がします…。
(一)訓読み
これまで文章題では「鏤(ちりば)んでいる」「陟(のぼ)す」といった変則的な出題がありましたが、今回は(一)でもそのような出題がありました。
・「刮(こそ)げる」→「刮(こそ)ぐ」→「刮(こそ)いだ」
また、第一版の訓読みだけで対応した場合は…
・「屛(しりぞ)く」→「屛(しりそ)ける」→「屛(しりぞ)けて」
・「鞏(かた)い」→「鞏(かた)める」→「鞏(かた)むる」
「屛(しりぞ)ける」「鞏(かた)める」は第二版にはあるので、第二版の訓読みからの出題と捉えることもできます。
弊ブログの出題で対応可能な問題は、訓読み表有りでは(上の3問以外の)7問、訓読み表無しでは4問だけでした。
この分野は対策の必要性を感じています…。
(二)
まず、訓読みの書き問題がやや多めでしょうか…。
また、「瓜実」「弥栄」「戊戌」といった複合語(?)や、常用漢字の出題が多いと思います。
拙模試では音と訓、1級と下級などのバランスを考えて出題しているのですが、そういった配慮はしていないようです…。
それにしても、ただでさえ難問が多くて時間の足りない回に、確認に時間の掛かる干支を出すのは意地悪ですね…^^;
弊ブログの出題で対応可能な問題は12問でした。
上で挙げた複合語が今後の課題です…。
(三)
多少引っ掛かりそうなダミーもありますが、ここ最近の出題に近い印象で、特に違和感はありませんでした。
どれが過去問かが分からないので、難易度はよく分かりませんが…。
弊ブログの出題で対応可能な問題は2問のみ。
まだまだ対応できていない1級大見出しがありますね…。
(四)問1
「風檣陣馬」が漢検四字熟語辞典、漢検漢字辞典ともに記載の無いものだったようですね。
「雲遊(萍寄)」のように、1級漢字を含まない側の出題も偶にありますが、難化回に出されると「追い打ち」感がありますね…。
弊ブログの出題で対応可能な問題は6問。
上で挙げた2問の対応は厳しいので、まずまずといったところでしょうか…。
(四)問2
(ネットで調べた限りでは、)「渾崙吞棗」の意味と出題文「丸のみにして味得しない。」が少しずれているように感じるのですが…?
なんとなく無理矢理意味を1行に纏めたような感じがします。
勿論、難易度には大して影響は無いとは思いますが…。
弊ブログの出題で対応可能な問題は1問のみ。
そこまで対策しなくても大丈夫だと思うので、他を優先させていただくことにします。
(五)
何といっても「華盛頓(ワシントン)」ですね。
出題は不評ではないかと予想しています^^;
今回が難化回でなければ、まだ受け入れられたと思うんですけどね…。
あと「王余魚(かれい)」は新出でしょうか…?
第一版では「王餘魚」だったので、もう第一版での学習者に配慮するつもりは無いのかもしれませんね。
弊ブログ(「生き物図鑑」の記事を除く)の出題で対応可能な問題は6問。
意外にも対応出来ていてビックリです^^
(六)
「(一)訓読み」の「屛」「鞏」と同じパターンがここでも出題されました。
・「偃(ふ)せる」→「偃(す)」
同じく「偃(す)」は第二版にはあります。
訓読みの「第一版」から「第二版」への過渡期ということでしょうか…?
まだ様子を見る必要はありますが、とりあえず「屛」「鞏」「偃」パターンだけは今後出題してみようと思います。
あとは、「淤」の音読みが2回連続で出題されていますね、これも珍しいのでは…?(前回28-3は(一)での出題)
弊ブログの出題で対応可能な問題は、訓読み表有りでは8問、訓読み表無しでは7問でした。
この分野も対策がある程度出来ているようです^^
(七)
「結納」≒「納采」の共通字パターンは、前回の「晩成」⇔「夙成」に引き続いて出題されましたね。
気になったのが、「直諫⇔諂諛」「誹毀⇔旌表」の2問の同時出題。
やや強引な解釈ですが…
「誹毀」=「(邪な心で)そしる」
「諂諛」=「(邪な心で)ほめる」
という解釈、もしくは…
「誹毀」=「相手の評価を下げるための言動」
「諂諛」=「自分の評価を上げるための言動」
という解釈で「誹毀」⇔「諂諛」という対義にできないでしょうか…?
勿論、正解として許容される範囲では無いと思いますが、「対義」の概念は人の感覚にも依るので、少しでも当てはまりそうな解釈があれば、問題の組み合わせとして避けるべきだと考えます。
辞典によっても少しずつ説明の内容が異なるので、この辺りは慎重に出すべきだと思いますが、どう思われるでしょうか…?
他にも、「明晰」⇔「含糊」の組み合わせに若干の違和感を感じました。
辞書の文を読む限りでは、確かに対義語ではあるのですが…何というか…上手く説明できません(苦笑)
もう一点。
前回、語選択のダミーに「どんらん」がありましたが、今回は「貪婪」が「たんらん」で出題されましたね。
「淤」と同じくこれも珍しい…?
弊ブログの出題で対応可能な問題は7問。
そのうち3問はひでまろさんのツイート記事からでした、流石です!^^
(八)
この分野は元々出題方針もよく分からないので、特にコメントはありません。
ただ「閻王」が出題されましたが、他の分野でも「遺偈」「賽の河原」「渾崙吞棗」が出たので、全体として仏教関連語が多めだったでしょうか…?
いつもはやや避けているような印象があったのですが…。
弊ブログの出題で対応可能な問題は3問ぐらいでしょうか…。
「妬婦」「馳騁」は、言葉としては出しているのですが、この出題で出来るかどうかは分からなかったので、含めていません。
(「鷸蚌」は音に特徴があり正解できそうだったので含めました。)
対策の仕方が分からないので、これはどうしようもありませんね…。
(九)書き取り
とにかく難しい…。
他に出題できそうな部分もあると思うのですが、難しい箇所が出題されていますね…。
同じ文で、実力者がほぼ出来て、チャレンジャーさんがやや苦しむ内容を出すとするとこんな感じでしょうか?
①滝のシャカすること恰も万弩の斉しく発したるが如し。
②五層の大楼、突兀ギガとして、大都の中央に屹立す。
③一層毎に彫欄を架し、彩華映射、只恨む、ヒヒンの紅袖を懸けざるを。
④乃ち是開化の枝葉繁茂して、東京の金花ランマンたり。
⑤猶シチョウの爪翼あるがごときなり。
⑥民の膏血を浚えてこれをフコに盈つるを目して能臣という。
⑦我が家の法度は、皆祖考、耆旧と議して、シンボウ遠慮して、その弊なきを期せり。
答え
①瀉下 ②巍峨 ③妃嬪
④爛漫 ⑤鷙鳥 ⑥府庫 ⑦深謀
そこまで真剣に作っていないので、別解があるかもしれませんが…^^;
(一部読み下しを変えたり、読みを書きにしたりしています。)
弊ブログの出題で対応可能な問題は4問ほど。
勿論、今回の出題の方が難しいものもありますが…。
こちらも対策は難しいです…。
(九)読み
「万弩」の「万」や「大蠹」の「大」で、「バン/マン」「タイ/ダイ」のあまり本質的でない2択を迫られます(汗)
他にも出題できそうなものが多いのに、なぜ敢えてこういうものを出題したのかよく分かりません…。
弊ブログの出題で対応可能な問題は、(上の2択を無視すれば)なんと10問!\(^o^)/
恐らく「書き取り」が難しい分「読み」を簡単にしたんでしょうね。
以上、ツッコミポイント多すぎです…^^;
冒頭でも書きましたが、一つ一つは大した問題ではありません。
しかし、それらが積み重なって少しずつ難化したり、時間が削られたりしたのではないでしょうか…?
更に、文章題の書き取りでトドメを刺しているので(苦笑)、出題が良かったとはお世辞にも言えないと思います。
難易度を一定にする、もしくは一定の割合で難化させるという難しさは、模試を作成しているので分かっているつもりです。
従って、急激に難化してしまうこと自体を批判するつもりは一切ありません。
しかし、最低限「出題傾向を大きく変えない」「バランスを重視する」など、ある程度難易度を調整する努力は出来るはずです。
今回の出題ではそういった努力が感じられず、更に解答者に対する配慮もあまり感じられなかったことが残念です。
漢検1級の試験問題は、これまで全体的に納得の行く出題だと感じていただけに、ショックも大きいです。
(強いて言えば27-1は少しだけ違和感を感じました。また、28-1の問題はまだ完全に把握しておりません。
従ってもしかしたら、毎年第1回、第2回、第3回の試験でそれぞれ出題担当者が異なるのでは?とも思っています。
そうであれば、謎とされてきた(?)毎年第1回の難化も納得が行きます。
もうすぐ28-1の問題がホームページに出るはずなので、そちらもチェックしてみたいと思います。)
出題に対して、本当はあまり批判的なことは言いたくなかったのですが、今回の難化が原因で自身の実力が分からなくなり、目指すべき方向も惑わされている方が多いように感じたので、「今回の本試験の結果を"羅針盤"にすべきでない」というメッセージのつもりで書かせていただきました。
本当に「五里霧中」状態の方、結構いらっしゃいます…(汗)
さて、最後に弊ブログ(「訓読み表」「生き物図鑑」を除く)で対策可能だった問題の総合点の発表です。
200点中…111点!
何だか足りないような気もしますし、1年間にしては対策出来たような気もしますが、どう思われるでしょうか…?
厳しい意見を書いてしまったので、弊ブログに対しても厳しいご意見が来ることを覚悟しなければいけませんね…。
今後は…
・(変則的なものを含む)1級訓読み
・(複合語を含む)訓読みの書き取り
・大見出し語表にない1級大見出し
・常用漢字の大見出し
などを対策しようと思っています。
また、今回の難化によって、高得点リピーターの方にとっては、高得点を取るために難問の対策が更に必要になったわけですが、一方で多くの方にとっては、難化に振り回されずこれまで通り着実に実力を積み重ねていくことが大事だと考えています。
従って、レベルの異なる二種類の記事や模試を出すことも考えたいと思います。
28-2に向けて、皆さんのお役に立てるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします(^^)/
まあ、暫くはゆっくりするつもりなので、早くとも来週以降からの話ですが…^^;
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