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模擬試験その1(記事版)

「模擬試験その1」の問題と解答です。(ヒントはありません。)
問題文などは省略しておりますので、形式等にご注意ください。
(この模試は旧形式です。特に問題番号等にお気を付けください。)

「続きを読む」をクリックしてご覧ください。



(一)
1.兵馬倥偬の間に謀略をめぐらす。
2.同僚の疵吝を他山の石とする。
3.悽愴たる光景が頭を離れない。
4.吾れ何を以て衆甫の然るを知るや、これを以てなり。
5.樊籬の向こうから何やら聞こえてくる。
6.ここはの地だ。
7.彼は誰よりも早く揣知した。
8.美しい翠篁に目を奪われる。
9.棺の中には衣衾釵珥があるのみであった。
10.卦兆を基に政治を行う。
11.夢中になっているうちに晨鐘が鳴った。
12.それはそれは劭美な人であった。
13.標的となると徹底的に訐揚される世の中だ。
14.朧朧たる月を眺める。
15.衣を攬り枕を推して起ちて裴回す。
16.来客のために獣の肉を刳臠する。
17.冤枉の問題が反対の理由の一つだ。
18.玉石同匱の扱いに不満が高まる。
19.工夫して器の余瀝も無駄にしない。
20.流木が隈澳へ流れ込んだ。
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21.川の底の砂をう。
22.い男だと揶揄される。
23.人との付き合いはる心が大事だ。
24.天をまし地を動かす。
25.この季節はの鳴き声がよく聞こえる。
26.全てがらかになるには時間が必要だ。
27.海外で犬橇を経験する。
28.虫れて戸をふさぐ。
29.「~ざんす」は郭詞の一つだ。
30.彼女はどの国にもを持っていく芸人だ。
 
(二)
1.み豆腐をぬるま湯で戻す。
2.小さなことからコツコツと励む。
3.リンレツとした空気に鳥肌が立つ。
4.風紀が甚だしくビランしている。
5.漢字が書けなくてジクジたる思いだ。
6.その話題になると彼は口をツグむ。
7.鏡餅の上にダイダイを乗せる。
8.二つの金属をロウ付けする。
9.観応のジョウランでは兄弟が対立した。
10.賢者は安らかにミマカった。
11.日がな一日ブリョウをかこつ。
12.反乱を契機に王位をサンダツする。
13.家族を失った彼の心は疾痛サンダツを極めた。
14.手首にトモを付けて弓を構える。
15.トモ座も帆座も昔はアルゴ座の一部だった。
 
(三)
1.彼女の身長は五フィート程度だ。
2.サコにある村を訪ねる。
3.シギ立つ沢の秋の夕暮れ。
4.早いは健康に良くない。
5.この城のシャチホコは特に有名だ。
 
(四)
1.地味が肥えていて作物がよくできること。
2.物事がしだいに衰えすたれること。
3.村里。また、民間。
4.雲がたなびいているさま。
5.あだ。かたき。
 
あいたい、こうしゅう、じんぜん、そうこう、
ほうか、よくじょう、りょうち、りょこう
 
(五)
ア.( 1 )啓牖
イ.( 2 )虎吻
ウ.( 3 )雨鬢
エ.( 4 )美食
オ.( 5 )落落
カ.日月( 6 )
キ.桃李( 7 )
ク.無始( 8 )
ケ.折衝( 9 )
コ.一世( 10 )
 
ぎょぶ、こうごう、さくそう、しい、しもく、
しんせい、せいけい、せいしん、ふうかん、ぼくたく
 
11.歳を取り、友人が次第に減っていくこと。
12.人々の指導者のこと。
13.敵の攻撃を防いで、相手を恐れさせること。
14.様々な意見を学び、見識を広めること。
15.遠い過去。
 
(六)
1.十大功労
2.信天翁
3.八角金盤
4.蝲蛄
5.魚虎
6.棠梨
7.鉄葉
8.馬鮫魚
9.乾鰯
10.海松
 
(七)
ア 1.售賈 … 2.售る
イ 3.跨躡 … 4.躡む
ウ 5.騁轡 … 6.騁せる
エ 7.嗄声 … 8.嗄れる
オ 9.詮較 … 10.較べる
 
(八)
1.小銃
2.裨益
3.惷愚
4.放伐
5.謙抑
 
6.婉娩
7.霹靂
8.戦艦
9.暄和
10.盛衰
 
えいき、きょごう、けんてつ、せいちゅう、ぜんじょう、
たいとう、ほうこう、もうどう、ようちょう、らいてい
 
(九)
1.ソウカの狗。
2.川淵深くしてギョベツ之に帰す。
3.コウリョウ雲雨を得。
4.ロザンの真面目。
5.尋常の溝にはドンシュウの魚なし。
6.ジャクソウ風の起こる所を知る。
7.薬メンゲンせざればその疾癒えず。
8.チョウアイ昂じて尼にする。
9.マンソウすら猶除くべからず。
10.クドウを行く者は至らず。
 
(十)
ア.ばれてあることの
1.コウコツと不安と
二つわれにあり
         ヴェルレエヌ
 
 死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。
 
 ノラもまた考えた。廊下へ出てうしろの扉をばたんとしめたときに考えた。帰ろうかしら。
 
 私がわるいことをしないで帰ったら、妻は笑顔をもって迎えた。
 
 その日その日を引きずられて暮らしているだけであった。下宿屋で、たった独りして酒を飲み、独りで酔い、そうしてこそこそ2.フトンをイ.べて寝る夜はことにつらかった。夢をさえ見なかった。疲れ切っていた。何をするにも物憂かった。「汲み取り便所は如何に改善すべきか?」という書物を買って来て本気に研究したこともあった。彼はその当時、従来の3.ジンプンの処置には可成まいっていた。
 新宿の歩道の上で、こぶしほどのウ.石塊がのろのろ4.って歩いているのを見たのだ。石がハって歩いているな。ただそう思うていた。しかし、その石塊は彼のまえを歩いている薄汚い子供が、糸で結んで引き5.っているのだということが直ぐに判った。
 子供に欺かれたのが淋しいのではない。そんな天変地異をも平気で受け入れ得た彼自身のエ.自棄が淋しかったのだ。
 
 そんなら自分は、一生涯こんな憂鬱と戦い、そうして死んで行くということに成るんだな、と思えばおのが身がいじらしくもあった。青い稲田が一時にぽっと6.カスんだ。泣いたのだ。彼はオ.狼狽えだした。こんな安価な7.ジュンジョウ(注)的な事柄にカ.を流したのが少し恥ずかしかったのだ。(注:心の赴くままにまかせること)
 電車から降りるとき兄は笑うた。
「莫迦にしょげてるな。おい、元気を出せよ」
 そうして竜の小さな肩を扇子でポンと叩いた。夕闇のなかでその扇子が恐ろしいほど白っぽかった。竜は頬のあからむほど嬉しくなった。兄に肩をたたいて貰ったのが有難かったのだ。いつもせめて、これぐらいにでも打ち解けて8.れるといいが、とキ.果敢無くも願うのだった。
 訪ねる人は不在であった。
 
 兄はこう言った。「小説を、くだらないとは思わぬ。おれには、ただ少しまだるっこいだけである。たった一行の真実を言いたいばかりに百頁の雰囲気をこしらえている」私は言い憎そうに、考え考えしながら答えた。「ほんとうに、言葉は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば」
 また兄は、自殺をいい気なものとして嫌った。けれども私は、自殺を処世術みたいな打算的なものとして考えていた矢先であったから、兄のこの言葉を意外に感じた。
 
 白状し給え。え? 誰の真似なの?
 
 水到りて9.キョ成る。
 
 彼は十九歳の冬、「哀蚊」という短篇を書いた。それは、よい作品であった。同時に、それは彼の生涯の10.コントンを解くだいじな鍵となった。形式には、「雛」の影響が認められた。けれども心は、彼のものであった。原文のまま。
 おかしな幽霊を見たことがございます。あれは、私が小学校にあがって間もなくのことでございますから、どうせ幻灯のようにとろんとカスんでいるに違いございませぬ。いいえ、でも、そのク.青蚊帳に写した幻灯のような、ぼやけた思い出が奇妙にも私には年一年とケ.愈愈はっきりして参るような気がするのでございます。
 なんでも姉様がお婿をとって、あ、ちょうどその晩のことでございます。御祝言の晩のことでございました。芸者衆がたくさん私の家に来て居りまして、ひとりのお綺麗な半玉さんに紋附の綻びを縫って貰ったりしましたのを覚えて居りますし、父様が離座敷(はなれ)の真暗な廊下でコ.のお高い芸者衆とお相撲をお取りになっていらっしゃったのもあの晩のことでございました。父様はその翌年お歿(な)くなりになられ、今では私の家の客間の壁の大きな御写真のなかに、おはいりになって居られるのでございますが、私はこの御写真を見るたびごとに、あの晩のお相撲のことを必ず思い出すのでございます。私の父様は、弱い人をいじめるようなことは決してなさらないお方でございましたから、あのお相撲も、きっと芸者衆が何かひどくいけないことをなしたので父様はそれをお懲らしめになっていらっしゃったのでございましょう。(太宰治「葉」より)



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