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模擬試験その8(記事版)

「模擬試験その8」の問題と解答です。(ヒントはありません。)
問題文などは省略しておりますので、形式等にご注意ください。
(この模試は旧形式です。特に問題番号等にお気を付けください。)

「続きを読む」をクリックしてご覧ください。



(一)
1.自ら洗腆し、酒を用うることを致せ。
2.広大な庭園を躅躑徘徊する。
3.日中に踆烏(しゅんう)有り、月中に蟾蜍有り。
4.特技を見せつけて夸矜する。
5.飆風に霓旌が翻る。
6.壁に依倚して眠る。
7.武器を失った相手を擅劫する。
8.群衆には踝跣の者もいる。
9.風船が静電気を帯び、埃が紆繞する。
10.朝猿甍棟に響き、夜水帷薄に声す。
11.幎冒を為りて乃ち死す。
12.光沢のある革鞜を履く。
13.自身の仍孫を目にした者はいない。
14.尭舜は黴瘠し、禹は胼胝す。
15.殴打され顴骨に罅が入る。
16.久瘧により屢苦しむ。
17.彩鷁が揺揺として漂う。
18.身を鋒鏑に膏す。
19.双子の妹が偶然にも舅嫂となった。
20.鼈を寒にし、熊膰を炙にす。
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21.商品をよくんで買う。
22.表面を丁寧にう。
23.水仕事が原因でが切れる。
24.部下の不手際をった。
25.畏れ多くも国王にえる。
26.零した水でを汚す。
27.一頻り話した後、彼は茶をった。
28.根のないのように漂っている。
29.人を惹き付けるための技術をんに磨く。
30.環境問題について考える。
 
(二)
1.砲弾がサクレツして負傷する。
2.現場をジンエキして犯人を推理する。
3.こどもの日にコイノボリを揚げる。
4.埃がコウチャクしてなかなか取れない。
5.進退谷まりてテイソに免れず。
6.贅沢にも金剛石をチリバめる。
7.俗世を嫌い、モトドリを切る。
8.血管を手際良くケッサツする。
9.内で蛤、外ではシジミ
10.幼い子供の死に人々はツウコクした。
11.辺りはリョウリョウとして家一つ無い。
12.相手はケイテキだが負ける気はない。
13.子は道理に矇き者をケイテキす。
14.朝の浜辺でナギが起こる。
15.ナギを神社の神木とする。
 
(三)
1.ゴザの上で転寝する。
2.発酵液にムロアジを漬けてくさやを作る。
3.ツガ桜の花を愛でる。
4.一ヘクトメートルを走る速さを競う。
5.真鍮製のコハゼに絵が描かれている。
 
(四)
1.天子の心。
2.眠りの世界。
3.引っ下げること。また、互いに助け合うこと。
4.芸人などへの祝儀。心づけ。はな。
5.腹を下すこと。
 
かんしゅ、こくてんきょう、しゃり、しんきん、
そくだつ、ていけつ、てんとう、ほうふつ
 
(五)
ア.( 1 )来臨
イ.( 2 )得酒
ウ.( 3 )不定
エ.( 4 )斂散
オ.( 5 )匿瑕
カ.縞衣( 6 )
キ.肩摩( 7 )
ク.曽母( 8 )
ケ.哀鳴( 9 )
コ.未雨( 10 )
 
おうが、ききん、きゅうしょう、きょき、
きんゆ、こくげき、しゅうしゅう、ちゅうびゅう、
ちょうてき、とうちょ
 
11.姑息な対応。また、決断をためらうさま。
12.人や車馬の混雑するさま。都会の雑踏。
13.何度も聞くことで嘘を信じてしまうたとえ。
14.相手の来訪を敬っていう語。
15.希望していたより良いものが手に入ること。
 
(六)
1.尺蠖
2.鴨嘴獣
3.豆腐皮
4.膂宍
5.金線魚
6.石陰子
7.草烏頭
8.剪刀
9.海州常山
10.木槿
 
(七)
ア 1.釐正 … 2.釐める
イ 3.熔鑠 … 4.鑠かす
ウ 5.詼諧 … 6.詼れる
エ 7.屈彊 … 8.彊い
オ 9.渝盟 … 10.渝わる
 
(八)
1.隘路
2.窮臘
3.犂明
4.饒舌
5.半可通
 
6.敬老
7.海容
8.喊声
9.媚佞
10.砥礪
 
いんもく、かしょう、かんじょ、げいは、
けんさん、しょうし、たいき、てんあ、
ねんぽ、ようぐ
 
(九)
1.富貴はキョウシャを生ず。
2.民疎懶の情を懐けば七歳コウソンに遇う。
3.コウガクを塡む。
4.青雲シハクの譏り。
5.ホウ麻中に生ずれば、扶けずして直し。
6.ネムノキの花が七変りすると盆が来る。
7.テンダイの筆。
8.ソンシを悪鳥と為す。
9.百年カセイを俟つ。
10.唯コウシュを称するのみ。
 
(十)
 庭の山茶花も散りかけた頃である。震災後家を挙げて阪地に去られた小山内君がぷらとん社の主人を伴い、俱に上京してわたしの家をア.われた。両君の来意は近年徒に拙を養うにのみ力めているわたしを激励して、小説に筆を執らしめんとするにあったらしい。
 わたしは古机のひきだしに久しく二、三の草稿を蔵していた。しかしいずれも凡作見るに堪えざる事を知って、稿半ばにして筆を投じた1.ホゴに過ぎない。このホゴを取り出して今更2.き返しの草稿をつくるはわたしの甚だ忍びない所である。さりとて旧友の好意を無にするは更に一層忍びがたしとする所である。
 窮余の一策は辛うじて案じ出された。わたしは何故久しくイ.筐底の旧稿に筆をつぐ事ができなかったかを3.ルチンして、ウ.かに一時の責めを塞ぐこととした。題して『十日の菊』となしたのは、災後重陽を過ぎて旧友の来訪に接した喜びを寓するものと解せられたならば幸いである。自ら未成の旧稿について4.ジョウゼツする事の甚だしく時流に後れたるが故となすも、また何の妨げがあろう。
 まだ築地本願寺側の5.キョウキョ(注)にあった時、わたしは大に奮励して長篇の小説に筆をつけたことがあった。その題も『黄昏』と命じて、発端およそ百枚ばかり書いたのであるが、それぎり筆を投じて草稿を机の抽斗に突き込んでしまった。その後現在の家に移居してもう四、五年になる。その間に抽斗の草稿は一枚二枚と剥ぎ裂かれて、煙管の6.ヤニを拭うエ.紙捻になったり、ランプの油壺やホヤを拭うホゴ紙になったりして、百枚ほどの草稿は今既に幾枚をも余さなくなった。風雨一過するごとに電灯の消えてしまう今の世に旧時代のオ.行灯とランプとは、家に必須の具たることをわたしはここに一言して置こう。(注:仮住まい。)
 わたしは何故百枚ほどの草稿を棄ててしまったかというに、それはいよいよ本題に進入(はい)るに当たって、まず作中の主人公となすべき婦人の性格を描写しようとして、わたしはカ.かにわが観察のなお熟していなかった事を知ったからである。わたしは主人公とすべき或る婦人が米国の大学を卒業して日本に帰った後、女流の文学者と交際し神田青年会館に開かれる或る婦人雑誌主催の文芸講演会に臨み一場の演説をなす一段に至って、筆をキ.いて歎息した。…(中略)…
 同じ年の五月に、わたしがその年から数えて七年ほど前に書いた『三柏葉樹頭夜嵐』という拙劣なる脚本が、偶然帝国劇場女優劇の二の替わりに演ぜられた。わたしが帝国劇場の楽屋に出入りしたのはこの時が始めてである。座附き女優諸嬢の妖艶なる湯上がり姿を見るの機を得たのもこの時を以て始めとする。但し帝国劇場はこの時既に興行十年の7.セイソウを経ていた。
 わたしはこの劇場のなおいまだ8.シュンセイせられなかった時、恐らくは当時『三田文学』を編輯していた故であろう。文壇の諸先輩と共に帝国ホテルに開かれた劇場の晩餐会に招飲せられたことがあった。尋(つい)でその舞台開きの夕べにも招待を受くるの栄に接したのであったが、ク.褊陋甚だしきわが一家の趣味は、わたしをしてその後十年の間この劇場のケ.観棚に坐することを9.チュウチョせしめたのである。その何がためなるやは今日これを言う必要がない。
 今日ここに言うべき必要あるは、そのかつて劇場に来り看る事の何故にコ.であったかという事よりも、今遽かに来り看る事の何故頻繁になったかにあるであろう。拙作『三柏葉樹頭夜嵐』の舞台に登るに先立って、その稽古の楽屋に行われた時から、わたしは連宵帝国劇場に足を運んだのみならず、折々女優を附近のカッフェーに招き迎えシャンパンの盃を挙げた。ここにおいて飛耳長目の徒は忽ちわが身辺を10.シマして艶事あるものとなした。(永井荷風「十日の菊」より)



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