漢検1級模擬試験倉庫

大見出し語表の複数読みについて その2(ニ列)

大見出し語表の複数読みについて その1(ナ列)」の続きです。

今回は「ニ列」(ニ-34~ニ-50)です。



読みが異なる漢字を赤字で示しています。

・ニ-34:「阿(あも/あま)

「媽」の字…問題として出題されているのを見たことがありません(苦笑)
音読みは「ボ」「モ」の2つで、「マ」は無いのですが、他にも「媽祖(まそ)」が辞典に載っています。
訓読みの「媽(はは)」も"俗語"と書いてありますし、この漢字は出題されそうに無いですね…。

・ニ-35:筒」(しょくとう/そくとう)

これは前回の冒頭で書いた通り、「ショク」で覚えてください。

・ニ-36:「芻(すうじょう/すうぎょう)

「蕘」の音読みは「ジョウ」のみなので、迷うことなく「ジョウ」で。

・ニ-37:「齷(あくせく/あくさく)

「齪」の音読みは「サク」「セク」「シュク」の3つ。
(「シュク」はとりあえず無視して、)本来の音は「サク」で、「齷齪」のみ「セク」に音が変化したと私は解釈しています。
従って、覚えるなら「サク」なのですが、「齷齪(あくせく)」以外の語はあまり出題されそうにないので、重要度は低いです。

・ニ-38:口」(かんこう/けんこう)

「鉗」の音読みは「ケン」「カン」の2つですが、漢検辞典にもあるように、「かんこう」は慣用読みで、本来は「けんこう」です。
「ケン」しか載せていない辞典もあるので、「ケン」で覚えるのが無難でしょう。
(他に「鉗子(かんし)」が辞典にありますが、やや専門的な語ですので、出題の可能性は低そうです。)

ちなみに、似た意味で使用される「箝(カン/ケン)」は、音読みの記載順が逆です。
同じく「カン」は慣用音なのですが、恐らく「カン」の使用頻度が高いからだと思われます。
「箝制」の読みも「かんせい」としているので(辞典によっては「けんせい」)、漢検さんは「カン」をより重視しているようです。

・ニ-39:「贏(えいしゅ/えいゆ)

「輸」の音読みは「ユ」「シュ」の2つで、「ユ」の使用頻度が高いのは言うまでもないでしょう。
ただし、「贏輸」「輸贏」の書きでは、「えいしゅ」「しゅえい」で出題されるのが自然だと思います。

・ニ-40:「草(そうあい/そうかい)

「鞋」の音読みは「アイ」「カイ」の2つです。
漢検辞典には読みを二つ載せている熟語が多いのでどちらでも良さそうですが、慣用音「アイ」を使用している辞典が多いみたいです。
ネットの辞書では「線鞋(せんがい)」「挿鞋(そうかい)」といったものも載っていますが、この辺りを敢えて出すようなことはしないと思うので、「アイ」で覚えた方が良いでしょう。

・ニ-41:「公(くがい/くげ)

以前書いた記事で、「くかい」という読みも載っていることを書きましたが、大見出し項目にあるものだけを表に載せました。(他の語も同様。)

「廨」の音読みは「カイ」のみなので、「カイ」を覚えればいいのですが、「公廨(くがい)」が連濁することだけは注意しておきましょう。(「くかい」が認められるかどうかはちょっと怪しい…。)
大見出し語ではありませんが、「官廨(かんかい)」を覚えておいた方がややこしくならずに済むかもしれません。

・ニ-42:猩猩(しょうじょう/せいせい)

「猩猩(しょうじょう)」「猩猩(せいせい)」は意味が異なります。
比較すると圧倒的に「猩猩(しょうじょう)」が重要だと思います。
(「猩猩(せいせい)」は大見出しにするほど重要な語なんでしょうか…?)

「猩」の音読みは「セイ」「ショウ」の2つ。
「猩猩(せいせい)」以外に「セイ」と読む語は見つからないので、「ショウ」を優先的に覚えるべきでしょう。

・ニ-43:子」(じょうし/せっし)

上で登場した「鉗子(かんし)」と同様、「鑷子(せっし)」は医療ドラマで聞くことが多いでしょうか^^;
「鑷」の音読みは「ジョウ」「セツ」の2つですが、「セツ」の音読みはあまり一般的には採用されていないようです。
「ジョウ」で覚えておきましょう。

・ニ-44:頏」(けっこう/きっこう)

「頡」の音読みは「ケツ」「キツ」の2つです。
「キツ」音の無い辞典もありますので、「ケツ」で覚えておくと良いでしょう。

ちなみに、「拮(キツ/ケツ)」の音読みは記載順序が逆です。
上で挙げた「鉗」「箝」の関係と似ていて、「拮」は「キツ」を重視しているようです。

・ニ-45:「嚥(えんか/えんげ)

医療関連の用語が多いですね(笑)
元は「えんか」で、聞いたときに分かりやすくするために「えんげ」と言ったものが"用語の読み"として定着したのだと思います。
「降灰(こうかい)」を「こうはい」、「生食(せいしょく)」を「なましょく」と言うのと同じでしょう。

「下」の読み分けは割愛。
基本的には「カ」でしょうね。
…いや、「ゲ」も結構多いかな?^^;

・ニ-46:蠍」(だかつ/じゃかつ)

「蛇蝎」(ナ-41)と同じです。

・ニ-47:榔」(びんろう/びろう)

「檳榔(びんろう)」「檳榔(びろう)」は違う植物です。(今回初めて知りました(汗))

「檳」の音読みは「ヒン」「ビン」の2つで「ビ」は無いので、「びろう」は出題されないと思います。
「檳榔」以外に出題されそうな熟語は無さそうなので、「ビン」で良いでしょう。

・ニ-48:「偈(げじゅ/げしょう)

「頌」の音読みは「ショウ」「ジュ」「ヨウ」の3つです。
(とりあえず「ヨウ」は無視して、)基本的には「ショウ」で読みます。
「偈頌(ゲジュ)」「頌偈(ジュゲ)」「頌文(ジュモン)」のみ「ジュ」で読んだ方が良さそうです。

・ニ-49:道」(ずいどう/すいどう)

漢検辞典では「隧道(ずいどう)」と「隧道(すいどう)」は異なるとしていますが、広辞苑やネットの辞典によれば両方とも「すいどう」と読んでいるので、読み分ける必要は無いのではないかと思われます。

「隧」の音読みは「スイ」「ズイ」の2つです。
「スイ」音のみの辞典もありますし、「隧路(すいろ)」は国語辞典にもあるような語なので、「スイ」で覚えた方が良いでしょう。

・ニ-50:除」(ふつじょ/ばつじょ)

「祓」の音読みは「フツ」のみなので、「フツ」で覚えましょう。
ちなみに、漢検辞典では「修祓」も「しゅうふつ/しゅうばつ/しゅばつ」と、「バツ」での読みを載せていますね。
誤読が定着したという扱いなのでしょうか…?


途中でマウスの調子がおかしくなり、ボタン部分をいじっているうちにぶっ壊すというハプニングもありましたが(苦笑)、何とか書き終えることができました^^
(ちなみに調子が悪いのはPC側の問題でした(汗))

次の記事がいつになるか分かりませんが、遅くとも今年中には「その5(ノ列)」まで書き終えたいと思います。
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コメント

参考になります

ニ-45:「嚥下」(えんか/えんげ)のところが、(けっこう/きっこう) になっておりました。
医療関連の用語、口腔を「こうくう」と思っていましたが、「こうこう」と読む、というのをついでに思い出しました。ありがとうございました。

  • 2016/11/24(木) 13:09:09 |
  • URL |
  • asatori #LTBvYwDU
  • [ 編集 ]

ミス報告、助かります

asatoriさん、指摘していただいてありがとうございます。
先ほど修正いたしました。

専門の用語は混乱を避けるために、誤読が定着する(もしくは敢えて誤読する)ことが多いですね。
被子植物の「重複受精(じゅうふくじゅせい)」なんかもそうでしょうか。
他にも(思いつきませんでしたが(笑))色々とありそうです。

こちらこそありがとうございました。

  • 2016/11/24(木) 13:43:06 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

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