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大見出し語表の複数読みについて その1(ナ列)

28-2の本試験、最初の問題は「喞喞」の読みでした。
「喞」の音読みは「ショク」「ソク」の2つですが、標準解答は「しょくしょく」のみでした。(「そくそく」が不正解かどうかは不明。)

大見出し語表では「喞」は「喞筒」の形で登場しており、読みは「しょくとう/そくとう」となっていました。
「喞喞(しょくしょく)」の読みからも分かる通り、「ショク」の音を優先させて覚えるのが無難なのですが、大見出し語表だけではそれがわかりにくいですよね。

ということで、大見出し語表の複数の読みのある語について、どの音読みを優先的に覚えると良いかというテーマで記事を書きたいと思います。
音読みの読み分けは深追いするとキリが無いので、全体的に軽めに触れる程度にしますが、とりあえずの結論は出すことにします。
分かりやすさを優先して、ビギナー、チャレンジャーの方に向けた記事にするつもりです。

一つの記事に付き、一列(縦の列)ずつ進めていきたいと思います。
今回は「ナ列」(ナ-34~ナ-50)です。
(これらの記号については、こちらの記事に説明があります。)

長いので、折りたたみます。



読みが異なる漢字を赤字で示しています。

・ナ-34:然」(けつぜん/げつぜん)

「孑」の音読みは「ケツ」「ゲツ」の2つです。
「ケツ」をメインにしている辞典もあれば、「ゲツ」をメインにしている辞典もあるので、どちらで覚えても問題は無いと思います。
「どちらでもいい」が苦手という方は、漢検辞典に合わせて「ケツ」で覚えておけば良いでしょう。

・ナ-35:槹」(きっこう/けっこう)
(表では「槹」の標準字体を表示しています。)

「桔」の音読みは「キツ」「ケツ」の2つです。
「桔」の付く熟語は「桔槹」の他には「桔梗(ききょう/けっこう)」ぐらいでしょうか…?
ともに、「けっこう」の読みがあるので、どちらかというと「ケツ」が混乱せず覚えるにはいいでしょうか…。
まあ、これは読みとしての出題の可能性は低いかもしれません。

・ナ-36:「粗(そしょう/そそう)

「鬆」の音読みは「ショウ」「ソウ」の2つです。
どちらも漢音というのが若干気になりますが、マイナーな語を出して「ショウ」を不正解にするような出題はしないと思います。
仮にしたとしても、満点を目指すのでない限りは気にしなくて良いでしょう。
ということで、「ショウ」で覚えるのが良いかと思います。

・ナ-37:寂寞(せきばく/じゃくまく)

「寂」の音読みは「ジャク」「セキ」の2つです。
「寂」は「ジャク」と読むものが多い印象ですが、国語辞典にないような熟語の場合は「セキ」で読むことが殆どのようです。
知らない言葉が出題された場合は「セキ」の方が正解の可能性は高そうです。

「寞」の音読みは「バク」「マク」の2つです。
こちらは「寂寞(じゃくまく)」以外は「バク」音の熟語ばかりなので、「バク」で良いでしょう。

・ナ-38:除」(さんじょ/せんじょ)

「芟」の音読みは「サン」「セン」の2つです。
調べると「芟除」以外の「芟」の熟語は全て「サン」の読みしか振っていませんでした。
「セン」で不正解になるかは分かりませんが、全て「サン」と読むのが良いでしょう。

ちなみに、訓読み「芟る」は「き(る)」ではなく「か(る)」です。
んじょ」「(る)」、共に「ア段」の音で始まることを意識して私は覚えました^^

・ナ-39:「貧(ひんく/ひんる)

「窶」の音読みは「ク」「ロウ」の2つで、「ル」はありません。
ということで、「ク」で覚えましょう。
(28-2で出題された「寒窶」も、標準解答は「かんく」のみでした。)

ちなみに、「ロウ」音の熟語として辞典に「甌窶(おうろう)」が載っています。
「ク」音を最優先で覚えて、余裕があれば例外として「甌窶(おうろう)」だけ覚えておけば良いと思います。

・ナ-40:塁」(ほうるい/ほるい)

「堡」の音読みは「ホウ」「ホ」の2つです。
「ホ」を呉音とする辞典と慣用音とする辞典があるみたいなのでちょっとややこしいのですが、漢検辞典を参考にすると基本は「ホウ」としたほうが良さそうです。
よく使われる「橋頭堡(きょうとうほ)」とやや専門的な語の「堡礁(ほしょう)」のみ「ホ」音、という感じですね。

・ナ-41:蝎」(だかつ/じゃかつ)

「蛇」の音読みは「ジャ」「ダ」「タ」「イ」の4つです。
(「タ」「イ」はとりあえず無視して、)「ジャ」「ダ」は自然と読み分けている部分があるので難しいですね。
「ダ」が慣用音で、比較的「ダ」音で読んでいるものが多いので、分からなければ「ダ」の方が良いでしょうか…。

・ナ-42:「潺(せんかん/せんえん)

「湲」の音読みは「カン」「エン」の2つです。
熟語は「潺湲」と「湲湲(えんえん)」しか見つからないので、読みとしては「エン」で覚えた方が分かりやすいでしょう。
ただし、28-1の試験では「せんかん」で書き問題が出題されたようなので、そちらも押さえるとすると、ちょっとややこしいかな…?^^;

・ナ-43:「纐(こうけち/こうけつ)

「纈」の音読みは「ケチ」「ケツ」の2つです。
「ケツ」音しか載せていない辞典もあり、「ケツ」音で読む熟語もあるのですが、マイナーなものが多いです。
一方、辞典の大見出しに「夾纈(きょうけち)」があり、「蠟纈(ろうけつ)染め」も「ろうけち」と読んでも良さそうなので、「ケチ」を基本として覚えておいた方が良さそうです。

・ナ-44:幢幡(どうばん/とうはん)

「幢幡(どうばん)」と「幢幡(とうはん)」は辞典にもあるように意味が異なりますが、今回はこの点については割愛。
(ちなみに、「幢幡」をGoogle画像検索すると、「どうばん」がどういうものか理解しやすいと思います。)

「幢」の音読みは「トウ」「ドウ」の2つです。
「幢幡(どうばん)」以外に、仏具の「○○幢」、袈裟の別称「解脱幢相(げだつどうそう)」が「ドウ」で読むようですが、漢字辞典では「トウ」音の熟語が殆どです。
基本的には「トウ」で覚えて、場面(寺など)によって「ドウ」と読み分けるのが良いでしょう。

「幡」の音読みは「ハン」「マン」「ホン」の3つで、「バン」はありません。
「八幡(はちまん)」以外は「ハン」で良いかと思いきや、「幢幡(どうばん)」以外にも「纛幡(とうばん)」など、「バン」と濁るものがいくつかありますね…。
ただ、「バン」が辞典に無い以上、「バン」でなければいけない読み問題は出さないと思うので、「ハン」を基本としておけば良いと思います。

・ナ-45:薇」(しょうび/そうび)

「薔」の音読みは「ショウ」「ソウ」「ショク」の3つです。
(「ショク」はとりあえず無視して、)「薔薇」以外の熟語で「ソウ」の読みは見つかりませんでした。
まあ、「薔薇」以外出ないかもしれませんが、覚えるなら「ショウ」が良いと思います。
ちなみに、熟字訓の「浮薔(みずあおい)」は「フショウ」とも読めますね。

・ナ-46:「佇(ちょりつ/ちょりゅう)

「立」の説明は流石にやめておきます(笑)
基本は「リツ」で。

・ナ-47:「瞋(しんい/しんに)

「しんに」は連声で、「恚」に「ニ」という音はありません。
よって、基本は「イ」で。

・ナ-48:「開(かいこう/かいごう)

「闔」の音読みは(漢検辞典では)「コウ」のみです。
よって、基本は「コウ」で。

・ナ-49:詛」(じゅそ/ずそ)

「呪」の音読みは「ジュ」「シュウ」の2つです。
よって、基本は「ジュ」で。

・ナ-50:「蕪(ぶあい/ぶわい)

「穢」の音読みは「ワイ」「アイ」「エ」の3つです。
「エ」音も重要ですが、これを含めるとややこしすぎるので、ここでは触れません。
(「エ」と読むものを除くと、)「ワイ」を中心に書いている辞典と「アイ」を中心に書いている辞典があるようなので、どちらで覚えても問題ないと思います。
漢検辞典だと、比較的「ワイ」の方を使用している印象なので、迷ったら「ワイ」で覚えてください。


全体的に、「読み問題」の対策をメインに書きました。
「書き問題」の場合は、見出しとして出ているもの(先頭に表示されているもの)が出題される可能性が高いと思います。

冒頭で「軽めに触れる程度」と書いておきながら、いくつか深追いしてしまって、思っていた以上に時間がかかりました…(汗)
以降、こんな感じで「その5(ノ列)」まで書きたいと思います。
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