今回は(六)音訓読み、(七)対類、(八)故事諺の解答・解説です。
未挑戦の方は見てしまわないようご注意ください。
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◇解答
(六)
1.こうどう
2.くさぎ
3.せいしゃ
4.ゆる
5.しょうじゅん
6.めぐ
7.じんぶん
8.つ
9.しゅあん
10.あか
(七)
1.登極
2.賚賜
3.芳茗
4.晨明
5.甄別
6.舟筏
7.無媒
8.妊孕
9.迂叟
10.玄黄
(八)
1.関雎
2.林藪
3.誦数
4.小鮮
5.面牆
6.漏甕
7.肥瘠
8.野猪
9.蚤甲
10.旗鼓
◇解説
(六)
訓読みは全て第二版なので、音読みで点数を稼ぎたいところです。
ア 1.耕耨 … 2.耨る(答:こうどう、くさぎ)
「耕」からイメージは分かりやすいと思います。
同じ部首の「耘(くさぎ)る」が第一版の訓なので、そういったところから推測することも可能でしょうか。
意味としても「耕耨≒耕耘」です。
イ 3.貰赦 … 4.貰す(答:せいしゃ、ゆる)
こちらも「赦」から推測可能ですね。
「貰」の音読みに馴染みのない方もいらっしゃったかもしれません。
ウ 5.浹旬 … 6.浹る(答:しょうじゅん、めぐ)
推測はかなり難しい問題だと思います。
「浹旬」は「旬(=十日)を一巡りする」ということから「十日間」という意味でした。
似た語に「浹辰」があり、「辰(=十二支)」から、こちらは「十二日間」の意味です。
こちらの語は広辞苑に記載があります。
エ 7.稔聞 … 8.稔む(答:じんぶん、つ)
まず「稔」の音読みですが、「ネン」音は慣用音で、使われている熟語は一部のみだと思います。
「稔聞」は「十分に聞きなれている」という意味です。
「稔(つ)む」の訓に対応するかどうかの判断は少し迷ったのですが、漢検辞典には「経験などを積む」という説明があったので、対応するものと判断して出題しました。
オ 9.朱殷 … 10.殷い(答:しゅあん、あか)
「殷」は読み分けのある漢字ですね。
「あかい」意では「アン」ですが、これは「朱」から判断できるはずです。
(七)
本試験の対類問題の難易度が高いので、それに合わせて(それ以上に)難易度を上げたつもりですが、いかがだったでしょうか…?^^;
[対義語]
1.退位 (答:登極)
「登極」は大見出しではありませんが、過去問で(類義の「践祚」を答えさせる問題の)出題側の語として登場していますね。
2.進献 (答:賚賜)
大見出しではありませんが、意味欄に載っていて注目されていた方もいらっしゃるでしょうか。
「賚」も「賜」も「たま(う)」の訓があるので、そういった繋がりから推測することもできそうです。
3.悪茶 (答:芳茗)
「茶」を表す漢字として「茗」が思いついたでしょうか…?
「良い茶」の意味として「ホウ」の候補が「宝」「豊」「褒」など、多く浮かんだかもしれませんね。
4.入相 (答:晨明)
「晨明」は1級大見出しですが、「入相(いりあい)」の意味が取れないと難しい問題だったと思います。
朝夕に関係する語は多いので、対類も多くの出題パターンがあって、対応が大変ですね…。
5.混同 (答:甄別)
対義と言えるかどうか悩みましたが、本試験でも微妙な対義語は登場するので、思い切って出しました(笑)
[類義語]
6.一葦 (答:舟筏)
こちらも「一葦」の意味が分からないと厳しそうです。
「舟筏」には単に「舟」という意味がありますね。
「筏」が思いつくかどうかがポイントだったと思います。
7.幽境 (答:無媒)
これが今回最大の難問だったのではないかと予想しています。
「無媒」は「人里離れた寂しい所」という意味で、由来は広辞苑によると「隠士が才があって用いられないことを、女が媒(なかだち)がなくて嫁することのできないことにたとえていう語」とのことです。
「幽境」には何も無さそうなので、推測だと「バイ」の候補を絞り切れなかったのではないかと想像します…。
8.受胎 (答:妊孕)
こちらも大見出しではありませんでした。
「妊娠」の類義語は「妊」「懐」「胎」「孕」を組み合わせたものが多く見つかるので、ある程度対策していれば、推測はしやすかったのではないかと思います。
(例:懐妊、懐胎、懐孕、胎孕、妊孕)
9.野老 (答:迂叟)
思わず「野老(ところ)」と読んでしまった方もいらっしゃるかもしれません(笑)
ここでは「ヤロウ」で、老人が自身を謙っていう語です。
10.両儀 (答:玄黄)
「両儀」は「陰と陽」や「天と地」という意味でしたが、意味を推測するのは難しかったと思います。
「両」から何となく「対になる2つの"何か"」ということは分かるかもしれませんね。
ちなみに、「両曜」という語もあり、こちらは「太陽と月」という意味です。
(八)
これまで弊ブログで出題していないものを多めに出しました。
あまり書くことも無いので、軽く触れていきます。
1.カンショの楽しみ。(答:関雎)
「関雎」は「関関雎鳩」の略。
2.刀下の鳥リンソウに交わる。(答:林藪)
「林藪」はここでは文字通りの意味ですが、「淵藪」と同様に「物事の多く集まるところ」という意味もあります。
3.ショウスウ以て之を貫く。(答:誦数)
「数」の解釈がよく分かりませんでしたが、「思索以てこれを通ず」と続くので、対として考えると「誦数」で一語と考えるのが自然でしょうか…?
4.大国を治むるはショウセンを烹るが若くす。(答:小鮮)
この一節から「烹鮮」という熟語も生まれていますね。
この語は漢検辞典の大見出しですが、国語辞典にある「国政を処理する」「政治を行う」という意味は、なぜか記載がありません。
5.メンショウの譏り。(答:面牆)
「面牆」はこれだけでも国語辞典に載っていますね。
他分野でも出題されるかもしれません。
6.ロウオウを奉じて焦釜に沃ぐ。(答:漏甕)
7.越人の秦人のヒセキを視るが如し。(答:肥瘠)
特に書くことは思いつきませんでした。
8.ヤチョにして介するもの。(答:野猪)
漢検辞典の大見出しからです。
「鎧」の意味の「介」を出題しても良いかもしれませんね。
9.利を争うことソウコウの如くにして其の掌を失う。(答:蚤甲)
「蚤」は「爪」「搔」に通じて、「爪」や「爪で搔く」という意味もあるようです。
「爪甲」で正解になるかは分かりません…。
10.キコの間に相見ゆ。(答:旗鼓)
「旗鼓相当たる」と同じような意味ですね。
明日はいよいよ最後ですね。
(九)文章題の解答・解説です。
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