今回は(四)四字熟語と(五)熟字訓の解答・解説です。
未挑戦の方は見てしまわないようご注意ください。
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◇解答
(四)
問1
1.灰心
2.垂髫
3.伏寇
4.盲亀
5.老蚌
6.坤倪
7.渇仰
8.豆人
9.聴従
10.風馳
問2
1.すうじょう/すうぎょう
2.しりん
3.さいてん
4.かんしょく
5.ひつい
(五)
1.はなび
2.ゴビ
3.わたまし
4.いんげんまめ
5.あらぞめ
6.ことり
7.つくも
8.みいつ
9.さっぱ
10.チョゴリ
◇解説
(四)
問1
順番を変えて分類ごとに触れていきます。
2.( )戴白(答:垂髫)
3.( )在側(答:伏寇)
6.乾端( )(答:坤倪)
9.婉娩( )(答:聴従)
漢検四字熟語辞典にある1級配当四字熟語で、間違えてはいけない範囲ですね。
9のみ1級漢字を含まない二字を出題しました。
ちなみに、ここでの「聴」は「きく」で解釈されることが多いですが、「従う」という意味もあるので、似た意味の漢字を重ねていると解釈することもできると思います。
1.( )喪気(答:灰心)
4.( )浮木(答:盲亀)
7.随喜( )(答:渇仰)
8.寸馬( )(答:豆人)
常用四字熟語を4問出題しました。
1の「灰心(かいしん)喪気」は「灰身(けしん)滅智」と混乱しないよう注意が必要ですね。
7は「随喜」も「渇仰」もそれぞれ大見出し熟語です。
10.輿馬( )(答:風馳)
今回も準1級四字熟語を一つ入れました。
準1級四字熟語のどれが難問になるのかはよく分かっていませんが…。
5.( )生珠(答:老蚌)
四字熟語辞典には無いものだと思います。
ただし、「老蚌珠を生ず」は漢検漢字辞典の大見出しで、故事諺問題でも出てくるものなので、推測は難しくないと考えています。
問2
どこまでを四字熟語の範囲とするかは議論があると思いますが、広く認めてある程度の推測が必要な問題にしました。
出したのは読み下すと諺になるものなので、その解釈が出来るかどうかがポイントだと思います。
1.下問を恥じない態度。(答:詢于芻蕘(すうじょう/すうぎょう))
答えも分かりやすくなければ、設問も分かりにくい問題でしたね(笑)
「下問」は「目下の者に問うこと」で「下問を恥じず」という言葉もあります。
一方、答えの四字熟語の方は「芻蕘に詢(はか)る」もしくは「芻蕘に詢(と)う」と読めますが、「芻蕘」=「低い身分の人」ですから、まさに「下問」ということです。
ちなみに、この設問はKO字源の説明に「下問をはじざる義」とあったので、そちらを採用しました。
想定していたダミーは「伊尹負鼎」ですが、「大望のために低位に甘んじる」という意味なので、かなり違いますね。
2.学問を教える所。(答:緇林(しりん)杏壇)
これはスタンダードな問題ですね。
3.質素な家。(答:采椽(さいてん)不刮)
「(茅茨翦らず)采椽刮(けず)らず」のことです。
「茅屋采椽」からも推測可能ですね。
配当外漢字を使った「采椽不斲(ふたく)」の形をご存じの方も多いと思いますが、「刮」を使った表記もあります。
読み下した形は本試験の訓読み問題で最近出ましたね。
想定していたダミーは「蓋瓦級甎」です。
4.天子が政治に精励する。(答:旰食(かんしょく)宵衣)
こちらも基本問題。
5.成すべきことを全てやり尽くした。(答:能事畢矣(ひつい))
「能事畢(お)わる」や「能事畢われり」と読み下される四字熟語で、大見出しにもなっている言葉ですね。
「矣」の音読みもあまり多くは見ないので、悩まれた方もいらっしゃるかもしれません。
想定していたダミーは「不失錙銖」です。
こちらは「錙銖を失わず」と読んで、「少しの誤りもない」という意味です。
(五)
あまり解説の必要のない分野かと思いますが、少しだけ触れておきます。
1.煙火(答:はなび)
音読みの「エンカ」だと、「かまどの火」や「のろし」という意味もあります。
2.戈壁(答:ゴビ)
「ゴビ砂漠」の「ゴビ」ですが、文学作品でもこの表記は使われていますね。
3.移徙(答:わたまし)
「渡座」という表記もありますが、これも熟字訓と言えるでしょうか…?
各種国語辞典にも載っている表記です。
4.菜豆(答:いんげんまめ)
「眉児豆」の表記も巻末索引にあり、こちらも重要です。
5.退紅(答:あらぞめ)
「桃花染」の表記も熟字訓と言えそうですね。
こちらは、漢検辞典の他、広辞苑や大辞林にも記載があります。
6.部領(答:ことり)
索引にない熟字訓でした。
由来は「事執り」のようです。
7.江浦草(答:つくも)
「九十九」の表記もあります。
8.御稜威(答:みいつ)
「稜威(いつ)」も含め索引には載っていません。
「稜威(りょうい)」「威稜(いりょう)」という同義の音熟語もあります。
9.拶双魚(答:さっぱ)
「ままかり」で知られる岡山で有名な魚です。
配当外ですが「鯯(さっぱ)」という漢字もあるそうです。
10.赤古里(答:チョゴリ)
「襦」という表記も書かれていますが、適した出題形式が無さそうなので、恐らく出題されないでしょうね…。
明日は(六)音訓読み、(七)対類、(八)故事諺の解答・解説です。
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