漢検1級模擬試験倉庫

文章題書き取り問題その17

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[がちゅうとれつばんくつゆうこんれいろう]

◇谷を上って峰がまた転ずると、今度は薊谷と共に雲仙の二大渓谷であり、また同じ旧噴火口であるところの鬼神谷の真上に出る。ここでは国見岳が正面に見え、左に妙見右に江丸と外輪山が、環状に(1.)して普賢に向かっている有り様がよく分かる。鬼神谷は深くその間に落ち込んでいるので、暫くこの落葉樹林に包まれた美くしい渓谷を見下ろしながら、岨伝いに進んで行く。道はますます嶮しくなるが、次第に絶頂に近づき、巨大なくましでが純林風に(2.)している中をぬけて出ると、天地は忽ち開けて、一千三百六十米の普賢の絶頂に立つ。
 高さからいうと、山岳としてはいうに足らぬが、さてもその展望の(3.)秀麗なることよ。雲仙がその景観において、山岳中の首位に推されることの当然さを、一たび普賢の絶頂に立ったものは、誰でも首肯するであろう。
(菊池幽芳「雲仙岳」より)

◇椿岳の米三郎は早くから絵事に志した風流人であって、算盤を弾いて身代を肥やす商売人肌ではなかった。…(中略)…丁度兄の伊藤八兵衛が本所の油堀に油会所を建て、水藩の名義で金穀その他の運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する必要があったので、伊藤は専ら椿岳の米三郎を交際方面に当たらしめた。
 伊藤は(4.)一方の人物で、眼に一丁字なく、かつて応挙の王昭君の幅を見て、「椿岳、これは八百屋お七か」と訊いたという奇抜な逸事を残したほどの無風流漢であった。随って商売上武家と交渉するには多才多芸な椿岳の斡旋(とりもち)を必要としたので、八面(5.)の椿岳の才機は伊藤を助けて算盤玉以上に伊藤を儲けさしたのである。
(内田魯庵「淡島椿岳」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[あゆおとくぎもうくくこうはく]

◇栃木県庁は谷中村買収を行うに当たり、村役場を占領して村民誘拐の事務所とし(6.)を散じて良民を惑乱し或いは威嚇し、而して誘拐したる人民を冷遇しつつあり。…(中略)…
 村民中買収の手先となりて官より報酬を受け居る悪徒は一人にても多く誘拐して移住せしむれば自己の利益となるが故に、(7.)佞弁を以て良民を(8.)し之を誘拐して窮地に陥るることを勉めつつあり。之に依りて生ずる弊害は実に少なからずして犯罪的行為も亦公行されつつあり。彼等悪徒は(9.)たる銅臭のために其の良心を(10.)せられ同郷の友を殺して私利を貪るに汲々たり。嗚呼されば彼等を馳せて悪徒たらしめたる者は果して誰ぞや。
(田中正造「非常歎願書」より)

<ヒントの表示(6~10)>



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コメント

たまたま

こんにちは

9.だけ迷いましたが、浮かんだのがこれだけだったのでたまたまできました。

「価値が低いさま。取るに足りないさま」とう意味があるんですね~

勉強になりました。
ありがとうございました。

  • 2019/10/08(火) 10:59:13 |
  • URL |
  • rikuroku #-
  • [ 編集 ]

区々たる地位、片々たる財産

rikurokuさん、コメントありがとうございます。

「区区」は意外な意味ですよね。
少し前にネプリーグで林先生が解説されていて知りました(笑)

他の使用例を調べたところ、「区々たる地位、片々たる財産」という表現が出てきましたが、「片片」にも「取るに足らないさま」という意味があるようですね。
畳語の意味はなかなか難しいです。

こちらこそありがとうございました🙇

  • 2019/10/08(火) 11:37:59 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

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