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文章題書き取り問題その13

昨日お伝えした通り、火と金は「文章題書き取り問題」の出題です。
(「文章題書き取り問題」の詳しい説明はコチラ。)



文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[あいたいせいかせいひつぼんしょうらんまん]

◇恋愛のような人生の至宝に対しては、私たちはでき得る限り、現実生活の物的、便宜的条件によって、妥協的な、平板なものにすることをさけて、その精神性と神秘性とを保存し追究するようにしなければならぬ。心霊の高貴とか、いのちの不思議とかいうようなものは、物質を超越しようとする志向の下に初めてなりたつ事柄で、物的条件をエキスキュースにしだしては死滅してしまうのである。だから前回に述べたような現実の心づかいは実にやむを得ない制約なので、恋愛の思想――生粋(1.)はどこまでも恋愛の法則そのものに内在しているのだ。だからかわいたしみったれた考えを起こさずに、恋する以上は霞の(2.)としているような、(3.)の鳴っているような、桜の(4.)としているような、丹椿の沈み匂うているような、もしくは火山や深淵の側に立っているような、――つねに死と永遠と美とからはなれない心霊界においての恋を生きる気でなければならぬ。…(中略)…
 恋愛の宝所はパセチックばかりではない。恋の灼熱が通って、徳の調和に――さらに湖のような英知と、青空のような(5.)とに向かって行くことは最も望ましい恋の上昇である。…(中略)…燃えるような恋をして、洗われる芋のように苦労して、しかも笛と琴とのように調和して、そしてしまいには、松に風の沿うように静かになる。それが恋愛の理想である。
(倉田百三「女性の諸問題」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[じょうししんせいどうじゃくどうしゅうひばく]

◇…三十年前、亜米利加のペルリが、数発の砲声を以て、江戸城中を混雑せしめたる当時と今日とを並べ見るの利益を有する人々には我が文明の勢い、猶(6.)千丈、直下して障礙なきに似たる者あらんか、東西古今文明の急進勇歩、我が国の如きもの何処に在る。…(中略)…
 夫物質的の文明は唯物質的の人を生むに足れる而已(のみ)、我が三十年間の進歩は実に非常なる進歩に相違なし、欧米人をして後(しりえ)に(7.)たらしむる程の進歩に相違なし、然れども余を以て之を見るに、詮じ来れば是唯物質的の文明に過ぎず、是を以て其の文明の生み出せる健児も、残念ながら亦唯物質的の人なる耳、色眼鏡を懸け、「シガレット」を薫(くゆ)らし、「フロック、コート」の威儀堂々たる、敬すべきが如し、然れども是(8.)紛々たる人に非ずんば、黄金山を夢むるの児なり、其の中に於いて高潔の志を有し、慷慨の気を保つもの、即ち(9.)も啻ならじ、束髪峨々として緑鬖(りょくさん)額をつつみ、能く外国の人と語り、能く「ピアノ」を弾ず、看来れば宛然たる「レディス」なり、然れども其の中に存するものは空の空なるのみ、赤間ヶ関の荒村破屋に嘗て野「バラ」の如くに天香を放ちし、烈女阿正の如き、義俠深愛、貞節の如き美徳は之を貴き今日の(10.)軍に求むべからず、…
(山路愛山「英雄論 -明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿-」より)

<ヒントの表示(6~10)>



<解答の表示>


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コメント

まいった

こちらチャレンジ!

9.10出来ませんでした。

戊辰戦争の会津戦争の「じょうしぐん」知りませんでした。この時代はあまり知らず苦手です。
9.は答えをみても文章の意味が取れません(汗)

「即ち晨星も啻ならじ」
どんなニュアンスの意味かご教示いただければ幸いです。

ありがとうございました。

  • 2019/09/24(火) 11:01:39 |
  • URL |
  • rikuroku #-
  • [ 編集 ]

晨星も啻ならじ

rikurokuさん、こちらにもコメントありがとうございます。
大見出しから出題したものの、後半が難問だったようですね💦

会津戦争の「娘子軍」は私もよく分かりませんが(苦笑)、軍隊でなくても「群」ではなく「軍」と書く点には気を付けないといけませんね。

「晨星も啻ならじ」は「数が少ない」という意味ではないでしょうか…?
ここでは、文明が進歩する一方で「高潔の志を有し、慷慨の気を保つもの」が減っていることを嘆いているのだと思います。
その後は女性の話に転じて同じようなことを嘆いていますが、「今日の娘子軍に求むべからず」が「晨星も啻ならじ」と意味が近い部分でしょうか。

こちらこそありがとうございました。

  • 2019/09/24(火) 11:40:04 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

ペルリ?

聞いたことない名前だなあ・・と思ったら、
「ペリー」ですね(笑)

最近、世界史の本(全4巻)の最終巻を読んでいて、
やっとペリー来航したあたりです。

当時は、「彼理」と書いて「ペルリ」と読んでいたみたいですね。

  • 2019/09/24(火) 12:46:12 |
  • URL |
  • まさ #f67BpHN6
  • [ 編集 ]

Perry→ペルリ?

まささん、コメントありがとうございます。

「ペリー」です(笑)
「ペルリ」は広辞苑に「オランダ語風の発音」とありました。
漢字表記もあったとは驚きですね。

世界史の学習をされているのでしょうか。
私も歴史の勉強をしたいところですが、なかなかどうしていいのやら…という感じです(苦笑)

挑戦どうもありがとうございました。

  • 2019/09/24(火) 13:13:38 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
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