漢検1級模擬試験倉庫

R1-1直前模試(1/5)

本試験R1-1まで1週間を切りました。
今回も直前のチェック用に、記事形式で模試を公開したいと思います。
これまでの直前模試と同じく、月~金の5日間で40点分ずつ分けて出題します。

今回の模試は、通常模試に比べて過去問がやや多めですが、各分野に難問が鏤められており、直前模試としては難易度が高めだと思います。

実力を試すためというよりも、気を付けるべき点を確認するための出題のつもりです。
従って、自信を無くす可能性のある場合には、試験直前での挑戦はオススメしません。

尚、金曜日に記事が全てが出揃いますが、出題に不備が無いことが確認され次第、PDFに纏めたものを出す予定です。
一度に全問挑戦したいと思われる方は、金曜夕方頃までお待ちいただいて、PDF版で挑戦していただければと思います。

それでは本日分の出題です。
本日は、「(五)熟字訓・当て字」(10点満点)と「(九)文章題」(30点満点)です。

「続きを読む」をクリックしてご覧ください。



(五)熟字訓・当て字

1.罌粟
2.掏児
3.布哇
4.胡蜂
5.紫萁
6.桃花鳥
7.車前草
8.新発意
9.阿利襪
10.梭尾螺


(九)文章題

 入道相国逝いて宗盛次いで立つ。然れども彼は不肖の子なりき。彼は経世的手腕と眼孔とに於いては殆ど乃父浄海の足下にも及ぶ能わざりき。彼は興福東大両寺の荘園を還附し、宣旨を以て三十五ヶ国に諜し興福寺の修造を命ぜしめしが如き、仏に.し僧に.い、平門の威武を墜とさしむる、是より大なるは非ず。彼は直覚的.炯眼に於いては乃父に劣る事遠く、天下の大機を平正穏当の間に1.ホテイし、人をして其の然るを覚えずして然らしむる、活滑なる器度に於いては、重盛に及ばず。懸軍万里、計を2.イアクの中にめぐらし、勝を千里の外に決する将略に於いては我が義仲に比肩する能わず。しかも猶、其の不学、無術を以て、天下の革命軍に対せんとす。是、赤手を以て江河を支うるの難きよりも、難き也。泰山既に倒れ竪子3.タイテイの重位に上る、革命軍の意気は愈々昂れり。しかも、此の時に於いて平氏に致命の打撃を与えたるは、実に其の財政難なりき。平家物語の著者をして「おそらくは、帝闕も4.セントウもこれにはすぎじとぞ見えし」と、驚歎せしめたる一門の栄華は、遂に平氏の命数をして、幾年の短きに迫らしめたり。夫水.れば魚益々躍る。是に於いて平氏は、恰も傷つきたる猪の如く、無二無三に過重なる5.シュウレンを以て、此の窮境を脱せんと欲したり。平氏が使者を伊勢の神三郡に遣りて、兵糧米を、充課したるが如き、はた、平貞能の九州に下りて、徭を重うし、賦を繁うし、四方の6.エンサを招きしが如き、是、平氏の財力の既に窮したるを表すものにあらずや。
 ああ大絃急なれば小絃絶ゆ。さらぬだに、凶年と兵乱とに苦しめる天下の蒼生は、今や彼等が7.トウケンの苦楚に堪うる能わず、斉しく立って平氏を呪い、平氏を罵り、平氏に.き、空拳を以て彼等が.を脱せんと試みしなり。是に於いて、靄の如く天下を蔽える蒼生は、不平の忽にして、革命軍の成功を期待するの、盛んなる声援の叫びとなれり。しかも此の危険に際して、猶諸国に命じて南都の両寺を修せしめしが如き、傘張法橋の豚犬児が、愚なる政策は、此の声援をして更に幾倍の大を加えしめたり。入道相国逝いて未だ三歳ならず、胡馬洛陽に8.イナナき、天日西海に没せる、豈宜ならずとせんや。…(中略)…
 然れ共、彼は、泉の如く湧く敏才を有したりき。彼は、其の夜猛牛数百を集め炬を其の角に縛し、鞭ちて之を敵陣に.ち、源軍四万。雷鼓して平軍を衝きぬ。…(中略)…
 而して行く事未だ幾(いくばく)ならず、東軍七千、喊声を上ぐること波の如く、乱箭を放ち鼙鼓(へいこ)を打って、彼を追う益々急也。…(中略)…しかも乗馬水田に陥りて再び立たず、時に飛矢あり、颯然として流星の如く彼が内兜を射て鏃深く面に入る。而して東軍の士卒遂に彼を鞍上に刺して其の9.シュキュウを奪う。兼平彼の討たるるを見て怒髪上指し奮然として箭八筋に敵八騎を射て落とし、終に自ら刀鋒を口に.み馬より逆さに落ちて死す。嗚呼、死は人をして静ならしむ、死は人をして粉黛を脱せしむ、死は人をして粛然として襟を正さしむるもの也。卒然として生と相背き、10.キョゼンとして死と相対す、本来の道心此処に動き、本然の真情此処にあらわる、津々として春雨の落花に.ぐが如く、悠々として秋雲の青山を.るが如し。(芥川龍之介「木曾義仲論」より)




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明日は「(七)対義語・類義語」「(八)故事・成語・諺」を出題します。
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