漢検1級模擬試験倉庫

文章題書き取り問題その7

今週から、火曜日と金曜日には「文章題書き取り問題」を出題します。(形式の説明はコチラ
火曜日は比較的難易度を低めに、金曜日は比較的難易度を高めに設定しました。
ヒントを上手くご活用いただければと思います。

それでは本日分の出題です。



文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[かんせいこうこそんきょていざりゅうりょう]

◇前艦橋に艦長が出てこられた。いよいよ出港だ。(1.)たる喇叭が艦上にひびきわたった。(海野十三「浮かぶ飛行島」より)

◇保田にて汽船を下りて、短艇にのるほどに、雨大いに到りぬ。荷物堆くつみたる上に、十人余りの旅客、傘をならべて(2.)す。風荒れ、雨舞い、傘端の点滴、人の衣を霑して、五体覚えず寒戦せり。…(中略)…せめて体をあたためんとて、午食の膳に、三人(3.)して、杯を飛ばす。
 雨に早く暮れし夕べ、風呂湯ありやと問えば、なしというに、益々失望して、数杯をかたむけて止みぬ。かたみに連歌などなししが、烏山頭いたむとて、早く臥す。羽衣もわれも床に入りて、一唱一和せしが、はては疲れて眠りぬ。三とせの間、同じ窓にいそみし身の、(4.)の外にうちとけて、浮世離れし茅店に川臥して、しずかに雨を聴くも、さすがに興なきにあらず。この夜、連歌したる後の即興に、『雨も心のありげなりけり』と、羽衣下の句を打ち出だすに、われ、とりあえず、『しめやかに語らう窓におとずれて』と上の句つけたれど、はや眠りたるにや、答えはなくて、(5.)、雨に和して高し。
(大町桂月「房州紀行」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[しょうへいたたんたんげいまつえいよたく]

◇曙覧は文化九年、福井市内屈指の紙商、井手正玄の長男として生まれたが、父祖の(6.)に浴することをせず、豊かな家産と名跡、家業を悉く異母弟に譲って、郷里を離れた山里や町はずれに、ささやかな藁家を構え、学究歌道に専念した。…(中略)…
 雲脚の変幻極まりない時代の姿を、曙覧他界した慶応四年八月前後の北陸辺に関して抽出してみると、…(中略)…八月十二日には越後三条に進まれている。その二日前、十日には鹿児島から廻航した西郷隆盛が、柏崎に来着して総督宮に拝謁、新潟に向かっている。新代の御光が洽く照り映えようとする直前に、彼は五十七年の生涯を終えたのである。所謂(7.)すべからざる時代の波は、彼の在世中ずっと、辺土の領国松平藩をも内外ともに揺り動かしていた。この内外(8.)の時にあって、古義神道を探求し、厳たる皇国観念に徹した彼は、私情に於いて藩主破格の厚情に感泣し乍ら、重なる(9.)にも応ぜず、藩禄を食もうとしなかった。橘左大臣諸兄の(10.)にして、大君の直臣なりとの堅い信念を貫き通し、倦みなく藩内武士の血脈を衝いて勤皇観を植え付け、時代に迷う福井藩を遂に動かして、勤皇運動に押し出したのだった。一歌人の業としてこれほどの大業は嘗てない。
(折口信夫「橘曙覧」より)

<ヒントの表示(6~10)>



<解答の表示>


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コメント

これぐらいで

こんにちは

本番の文章題もこれぐらいでいいのではないでしょうか~

数検
なるべくたくさん解こうと思って、早くやってると、問題文をちゃんと読んでいないことが多いです(汗)
例)「Xを求めて、またその際の最大値を求めよ」

Xだけわかって満足して、最大値書き忘れるパターン(汗)

漢検より凡ミスやらかしそうなのが自分でもわかっているので、十分気をつけます!
出来ない問題で部分点もらえても、できた問題で減点されたらダメですもんね~

がんばります!
ありがとうございました。

  • 2019/05/21(火) 10:26:12 |
  • URL |
  • rikuroku #-
  • [ 編集 ]

本来ちょうど良い難易度…?

rikurokuさん、コメントありがとうございます。

本番の文章題は、本来これぐらいが良い気がしますね。
少し前はこれぐらいの難易度だった気もしますが(笑)

数学の問題は、問題文をしっかり読むことが大事ですね。
計算しているうちに、ゴールを忘れてしまうこともよくあると思います💦
見直しや確かめ算の癖も付けておいたほうが良いかもしれませんね。

こちらこそありがとうございました。

  • 2019/05/21(火) 10:43:40 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

文章問題に関する悩み(長文です)

おはようございます。
次こそはと、6月検定に向けて勉強しておる最中です。

先日、大きめの書店に行ったところ珍しく一級の問題集がありましたので購入しました。
『よく出る! 漢字検定1級 本試験型問題集(新星出版社)』
本試験形式で20問収録されています。
貴ブログにて勉強させていただいているおかげで初見でも180点以上を安定して得点できるようになりました。
着実に力が付いていると実感できる貴重な体験です。

さて、当該問題集の文章問題に次のような一文がありました。

「向島の言問の手前を堤下(  )に下りて、牛の御前の鳥居を~」(内田魯庵 淡島椿岳より)

この”堤下”の読みを問う問題なのですが、さすがに(つつみした)ではないだろうと、
(ていか)と解答しました。
ところが模範解答には「どてした」のみがありました。
確かに「どてした」と読めますが、音読みすれば「テイカ」です。

これに限らず文章題の読み問題に関しては、どう解答すればよいのか分からないことが多々あります。
例えば「極光」とあれば(きょっこう)なのか(オーロラ)なのか、
「匍匐」とあれば(ほふく)なのか(はらばい)なのか、
橄欖は(かんらん)なのか(オリーブ)なのか等々……。

せっかく読みが分かっているのにこれで失点するのはあまりに勿体ないのです。
なにか指針や解答の際の目安になるような基準などがあるのでしょうか……?
ご教示くださいませ。

  • 2019/05/24(金) 06:59:17 |
  • URL |
  • テス #EXRI3mAQ
  • [ 編集 ]

文章読みの判断

テスさん、コメントありがとうございます。
来月の検定に向けて、こつこつと学習されているようですね。
実力アップを実感されているようで、何よりです。

さて、文章読みに関してのご質問ですが、実力のあるリピーターの方でも悩まされるものなので、なかなか難しい問題だと思います。

まずは簡単のため、音と訓のどちらを優先するかで考えたいと思います。

ハッキリとした基準は分かりませんが、基本的には一般に通用する読み方が正解になるはずですので、国語辞典に記載のある表記や慣用的な読み方があれば、そちらが優先されると思います。
例えば、「雁金額」を検索するとまず「かりがねびたい」と出てくるので、この読みが一般的と考えられ、この場合、音では不正解とされても仕方がないと思います。

一方で、余程訓で読むのが一般的でない限りは、(特に熟語では)音読みを不正解にはできない場合が殆どですので、基本的には音読みで読んだ方が良いでしょう。
一般的に使われていない訓読みで無理矢理読んでしまうと危険なので、こういう場合に訓読み対策の深追いがアダとなる場合がありますね…。

厄介なのが送り仮名のある場合で、文法上送り仮名が上手く合う方が正解になります。
これは文法の知識が必要になってきますので、細かいことは割愛させていただきます。

問題のきっかけとなった「堤下」ですが、これはあまり良い問題とは言えないと思います。
「どて」の読みが漢検辞典には示されていませんし、各種国語辞典でもこのような表記はありませんでした。

また、(ふりがな文庫では「堤下(どてした)」の使用例が意外に多く、音読みの「テイカ」はありませんでしたが、)そこまで「どてした」という語が一般的だとも言えないと思います。
従って、「テイカ」を不正解にする根拠はやや弱いようにも感じました。

文章読みは出題箇所を探すのが簡単ではないので、問題集に多少強引な出題が出てしまうのは仕方がないことかもしれませんね…。

最後に、テスさんが挙げられた例を考えてみたいと思います。

「極光」は意味は変わらないので、どちらで読んでも問題はないはずです。

「匍匐」は「ホフク」で読むべきで、「はらばい」が正解になるとは考えにくいと思います。
ただし、出題されないとは思いますが、送り仮名「い」が付いていれば「はらば(い)」の可能性も考える必要がありそうです。

「橄欖」の「かんらん」と「オリーブ」は本来は別物ですが、「橄欖」に「②オリ―ブの誤訳。」と載せているので、物が「オリーブ」であっても「かんらん」を不正解にはしづらいと思います。

特に直前の時期には、正誤の基準が分からず不安になることもあるかと思いますが、本試験ではある程度の配慮のある問題が出題され、かつ、妥当な範囲は正解として許容されるはずですので、気にしすぎることの無いようお願いします。

また、何かあればお気軽にお声かけください。
コメントどうもありがとうございました。

  • 2019/05/24(金) 11:12:22 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

ありがとうございました

失点を恐れるあまり過度に保守的になっていたのかもしれません。
文意も考えつつ、”迷ったら音読み”と自分でルールを組み立てることで余計な煩わしさを払いのけようと思います。
多端な折、ご助言をいただきありがとうございました。

  • 2019/05/25(土) 05:30:35 |
  • URL |
  • テス #EXRI3mAQ
  • [ 編集 ]

最近の傾向から言うと…

失点を恐れるのは自然なことだと思いますが、ある程度出題側を信用して開き直るのも大事ですね。

最近は元が漢文の難解な文章から出題されることが多いので、以前に比べると「雁金額」のようなややこしい訓の出題が減っていると思います。
送り仮名の無いものに関しては、音訓を迷うことも少なくなっているかもしれませんね。

こちらこそ態々ありがとうございました。

  • 2019/05/25(土) 10:57:18 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

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