今週から毎週木曜日の公開です。
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それでは、今週分の出題です。
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1.白河を越え、下野にかかり、遊行上人に道しるべした柳の陰に歌を詠じ、それから那須野が原へとかかった。茫々たる曠野、ソウライいたずらに茂って、千古ただ有るがままに有るのみなのを見て、氏郷は「世の中にわれは何をかなすの原なすわざも無く年や経ぬべき」と歎じた。
2.縀(たと)い崤函(こうかん)を以て固めと為すとも、蕭瑟を雲衢に留め難し。縀い孟賁をして追わしむとも、何ぞソウライを風境に遮らんや。頭目は仮(たと)い禅客の乞うに随うとも、秋を以て施し与えんこと太だ難かるべし。文峯に轡を按(お)す白駒の景、詞海に舟を艤(よそお)いす紅葉の声。
<ヒント> 1.「曠野」に「茂って」いる。 2.季節は「秋」。
3.オースチン師と数馬とは、芳江とそして市之丞とをどうしたら救うことが出来るかと、ハイカンを砕いて語り合った。
4.正当なる歴史を標榜する史籍さえ往々不穿鑿なる史実を伝えて毫も怪しまない時代であるから、ましてやハイカン野乗がいい加減な出鱈目を列べるのも少しも不思議はない。
<ヒント> 3.「ハイカンを砕く」が慣用句。 4.近くに類義語アリ。
5.我禅もこれと同じく、古来数々難があったが幸いに祖々の刻苦光明で、どうしても種草は絶やさなかった。…(中略)…祖師方が皆船頭や猟師や米搗きに身をくずし、万難の間にこの一灯を消(き)やさなんだ。我が国に入っても、栄西の天台難、真言難は、松柏のコウチョウに比すべく、大灯橋下二十年。身を御前問答に投じて、却って乾坤を打破し了われり。
6.朕、即位の初首として群臣を会し、五事を以て神明に誓い、国是を定め、万民保全の道を求む。幸いに祖宗の霊と群臣の力とに頼り、以て今日の小康を得たり。顧みるに中興日浅く、内治の事当に振作コウチョウすべき者少なしとせず。朕、今誓文の意を拡充し、茲に元老院を設け以て立法の源を広め、大審院を置き以て審判の権を鞏くし、又地方官を召集し以て民情を通し公益を図り、漸次に国家立憲の政体を立て、汝衆庶と俱に其の慶びに頼まんと欲す。
7.頭の上を突然サワサワという幽かな音が通った。宇治が眼を空に向けると、梢の切れたところを渡る幾百羽とも知れぬコウチョウの群れであった。一群が過ぎるとまた一群がつづいた。チチチと鳴く声も聞える。それらは次々に盆地を越えて行くらしい。
8.練兵堂の主人は兵家の古老にして、弓馬刀鎗其の余の技芸はさらなり、余力には風雅の道をもてあそびて洒落なる、遠近あまねく知る所なり。常に兵の要を説き武の道を講じていわゆる公侯の干城とも称すべし。その教えを施すに年ありて業を受くる徒コウチョウに満つ。
9.六年、穂積臣押山が任に任那に赴くとき、百済王に馬四十疋を賜いしに、冬、使いを使わしてコウチョウせしめけるが、斯麻、穂積臣押山に依りて、任那国の四県を賜わんことを請う。
<ヒント> 5.「松柏」を含む論語の一節が基になっている言葉。 6.「中興」「振作」と似た意味の言葉。由来は琴。 7.「盆地を越えて」季節ごとに北へ南へ。 8.「業を受くる徒」にとって「練兵堂の主人」は「師」に当たる。 9.「使いを使わして」「四県を賜わんことを請う」という要求を伝えていますが、手ぶらで行かせた訳ではありません。
<解答の表示>
1.草萊
2.爽籟
3.肺肝
4.稗官
(4.直後の「野乗」が類義語でした。)
5.後凋/後彫
6.更張
7.候鳥
8.絳帳
9.貢調
(6.文章は「立憲政体の詔書」から。
9.短文で状況が分かりにくかったと思いますが、コチラの内容のことと思われます。)
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