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準1級熟語対策 文章題書き取り問題その6

「準1級熟語対策」シリーズの文章題書き問題です。(詳しくはコチラ



文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[きょうどうそうそちゅうたいびゅうでんぼうかん]

◇黒田新開拓使次官が樺太に出発するのは、まえに記したように明治三年七月二十七日のことである。そのとき彼の方針に、ロシアにたいする融和政策とアメリカに拠る北海道開発という構想がもたれていたことはたしかだろうと私は推定する。
 「アラバマ号問題」は、一八七〇(明治三)年十二月五日のグラント大統領の例年教書で、がぜん再度の英米緊張をもたらす。この「脅迫的教書」は、「ことのなりゆきでは、アメリカ大陸とヨーロッパ列強との(1.)が、断ち切られるのは遠くない」と言明している。そのような空気のアメリカへ、伊藤がまずわたり、西園寺がわたり、黒田開拓使次官がわたってゆくのである。
 明治四年十一月十二日、こんどは日本政府そのものが、わたってゆく。大使岩倉右大臣、副使木戸参議、大久保内務卿、伊藤工部大輔以下七十名。開拓使女子留学生たちもまじっている。駐日公使デ・ロング夫妻が、晴れの(2.)役となって、同船している。
(服部之総「黒田清隆の方針」より)

◇近年、著書の(3.)に現るるもの甚だ多し。その書の多き、随って誤聞(4.)もまた少なからず。(木村芥舟「瘠我慢の説 -福沢先生を憶う-」より)

◇建文の初めに当たりて、燕を憂うるの諸臣、各意見を立て(5.)を上る。中に就いて敬の言最も実に切なり。(幸田露伴「運命」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[かいていかくれいかつだいきゅうしばんかん]

◇およそ今日の大勢に抗し武備をもって一国の生活を維持するものは必ず過去のやむべからざる事情あるがゆえなり。しかしてその事情においてもっとも重なるものは、〔第一〕内部の結合薄弱にしていまだ強迫の威力を仮らざるべからざるもの存すればなり。…(中略)…ややもすれば分解せんとするの勢いあるがために、またあるいはその政府なるもの、人民を、すなわち人民の実情実利を代表するあたわず。これがために風声(6.)その位置の危険なるに恐れ、ためにやむをえず武力を仮りて国を維持せざるべからざるの苦策を行うことあり。すなわちオーストリアのハンガリーにおけるはその人種・国体の異なるがためなり。トルコのセルビア、ルーマニアにおける、英国のアイルランドにおける、その人種・国体・風俗・言語・宗教の相異なるあるがためなり。露国のごときは一はその土地一個の政治の版図としてあまりに(7.)にして、またことにその人民と政府と相(8.)するがためなり。米国南北戦争のごときはその南北の利益相反したるがためなり。(徳富蘇峰「将来の日本」より)

◇僕はこの先生とこんな話をしながら、ニコチンとアルコオルとをちゃんぽんに使った。そうしたら、しくしく胃が痛くなり始めた。
 所が、その痛みは士官次室を失敬した後でも、まだ執拗(しつこ)く水おちの下に(9.)している。そこで僕はTに仁丹を貰って、それを嚙みながらケビンのベツドの上へ這い上がった。そうして寝た。
(芥川龍之介「軍艦金剛航海記」より)

◇全部千章もある中から特に面白そうな説話、ことに児童の了解に適うものを抜いて、本書の一斑を示そうと試みるのは、稍むずかしい業であるが、他日原本を手にするまでの(10.)として上の三十篇を挙げることにした。(和田萬吉「父兄の方々に」より)

<ヒントの表示(6~10)>



<解答の表示>





「準1級熟語対策」シリーズはひとまず今回で終了です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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コメント

許容?

おはようございます。

「嚮導」、「嚮」が書けないんですが、「郷」にしたら、やはりバツなんでしょうか?

一文目に出てくる、開拓使女子留学生のうちの二人、津田梅子と大山捨松についての本を今読んでいます。(桑港のもとの表記が出てきた本です)

新五千円札に津田梅子の肖像を採用ということで気になり、読みはじめました(^^;)

漢検のほうは今回も受検せず、
別の試験を申込んだので、そちらを勉強していく予定です。

ありがとうございました^ ^

  • 2019/05/17(金) 08:58:22 |
  • URL |
  • まさ #f67BpHN6
  • [ 編集 ]

そ!

こんにちは

この「疏」がなかなか浮かばないんですよね~
「奏訴」にしてしまいました。

ついでに「奏事」という熟語も見つけました。

「きゅうし」もなかなか出てこず文章を何度も読みました。
熟語自体は難しく無くても、なかなか意味を取るのが難しかったです。

「準1級熟語対策」シリーズ
とても勉強になりました。
ありがとうございました。

  • 2019/05/17(金) 09:48:02 |
  • URL |
  • rikuroku #-
  • [ 編集 ]

新紙幣の肖像

まささん、コメントありがとうございます。

基準となっている「漢検要覧 1/準1級対応」が無いのでハッキリとは分かりませんが、漢検辞典の許容字体と同じ内容だとするなら、「郷」で書いた「嚮」の字は載っていないため、採点基準を満たさないことになりますね。
ただ、標準解答にない別解があるように、実際は広く認められている可能性もあると思います。
不正解になる可能性がある以上は示された字体で書くのが無難だと思いますが、許容の範囲とされているのではないかと個人的には思っています。
(ただし、不正解になっても責任は持ちません(笑))

「開拓使女子留学生」
問題に直接関わりがないので、全く意識していませんでしたが、ここに話題の津田梅子や前回コメントで触れられていた大山捨松が含まれていたんですね💦

「桑港」に関する発見は新紙幣がきっかけでしたか(笑)
私も新紙幣をきっかけに、渋沢栄一に関するものを「国立国会図書館デジタルコレクション」で調べて少し読みましたが、他の方の話までは調べていなかったので、機会があれば見てみたいと思います。

漢検は私も今回も受検しませんが、まささんは別の試験を受験されるそうで、そちらが上手くいくことを願っています。

こちらこそありがとうございました(^^)/

  • 2019/05/17(金) 10:46:04 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

こんにちは!

私も奏訴に…
「疏」は「疎」のイメージが強くって全く浮かびませんでした。
仇視は咎視に。咎は一級でしたね💦

準1問題、お蔭様で少しずつですが慣れてきました。
新たな発見ばかりで 毎回とても勉強になりました!
ありがとうございます😊

  • 2019/05/17(金) 10:46:16 |
  • URL |
  • もなか #-
  • [ 編集 ]

疏!

rikurokuさん、コメントありがとうございます。

「奏疏」は難問でしたね。
「上る」を「たてまつ(る)」と読むところも分かりにくいポイントだったと思います。
ちなみに、こちらの字を使った「上疏」は大見出しの熟語です。

「仇視」も難問だと思うので、文意から正解されたのは素晴らしいと思います。
こちらこそ今シリーズ最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました😊

  • 2019/05/17(金) 10:53:16 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

お付き合いありがとうございました

もなかさん、コメントありがとうございます。

やはり「奏疏」は難問ですよね。
仰る通り、「疏」は「疎」に通じることが多いので、少し注目されにくい漢字かもしれません。
「疏」の意味が多いこともイメージが湧きにくい原因でしょうか…。

どうしても1級漢字が浮かびやすくなっていると思うので、「仇視」は難問だったと思います。
「仇」=「敵」で「仇視」=「敵視」なので、答えを見て「あー」とはなりそうですが、なかなか問題を見てこの発想をするのも難しいでしょうしね…^^;

準1級対策シリーズ、最後までお付き合いいただきこちらこそありがとうございました😊
昼過ぎにはPDFを出す予定ですので、宜しければそちらもご活用いただければ幸いです。

  • 2019/05/17(金) 11:16:24 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
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