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準1級熟語対策 文章題書き取り問題その5

「準1級熟語対策」シリーズの文章題書き問題です。(詳しくはコチラ



文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[いんじゅうだいきゅうていとんとうろうれつ]

◇およそ一国の政治を革新して国威を(1.)に発揚するには、上から来るものと下から来るものとの二途がある。上から来るものとは為政者の努力と手腕とに倚るものを指し、下から来るものとは国民の覚醒に依る場合を意味する。例えば十八世紀末葉の英国の如きは、ピットという不世出の英雄に依って議会の権威を確立すると共に、大陸戦争のために疲弊の極度に達せる国勢を挽回したのである。英国の政治は十八世紀の初年から、かのワルポールの賄賂政策のため甚しく腐敗し、それから引き続きジョルジ三世が王権を再興するがため(2.)なる手段を採りて議会に於ける自己の勢力を扶殖せんとするあり、ために七、八十年ほどは非常に憂うべき状態にあったのである。然るにこの永年の悪習を打破し、議会をしてかくのごとき誘惑より独立せしめ、ついに人民の権威を(3.)よりも重からしめたのは、ひとえにかの小ピットの大なる感化であった。無論ピットといえどもその背後に輿論の力が無かったならば、あれだけの偉業は成し遂げられなかったかも知れぬが、とにかく帝室の信頼も薄く、また貴族の気受けも甚だ面白くなかったに拘わらず、一度宰相の(4.)を帯びて廟堂に立つや、あたかも天馬空を行くの勢いを以てこの大改革をなし、更に外国に対しても国威を発揚するを過たず、かのナポレオンが欧州を侵略するに当たっても、英国に対してはついに一指をも染めさせなかったのは、慥かにその手腕の非凡なるものありしがためである。(大隈重信「選挙人に与う」より)

◇また、物を盗み人を殺す者といえども、自ら利して自己の平安幸福をいたさんと欲するにすぎず。盗んでこれを匿し、殺して(5.)するは何ぞや。他の平安幸福をば害すれども、おのずから害するを好まざるの証なり。(福沢諭吉「教育の目的」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[いんきょかのうしんしほうこうめんこう]

◇こうして、あらかじめ、国宝と、それに準ずる重要美術品を集めて置くことは、つまり、国家に代わってこれを保護する役目にもなる。関守氏としては、個人の趣味を満足せしめ、その蒐集慾を満喫することになるのだが、その結果は放漫に終わるのではない――ということを能弁に任せて、こまごまとお銀様に向かって説き立てるのであります。
 それがわからないお銀様ではない。関守氏の提案はことごとく(6.)せられて、女王はその財産の若干をこれに向かって支出することを厭わない(7.)を与えました。
(中里介山「大菩薩峠 -山科の巻-」より)

◇軽井沢に到りて宿る。既に信州なり。
 翌、徒に旦出でて雲靄の中に(8.)す。雲霧未だ散ぜず。浮々然として面を掠めて去る。地は海上三千余百尺、誠に高燥にして神心転た爽快ならずんばあらず。既にして身を客車の一隅に据ゆれば、天漸く朗かにして回顧豁然たり。山彙の遠く(9.)するを睥睨するが如き緩峯、北方に侍立す。鬱樹(10.)として蔭闇し、碓氷の難険は蓋し其の間に通ずるの道なり。
(長塚節「草津行」より)

<ヒントの表示(6~10)>



<解答の表示>


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コメント

9.10が解けず

おはようございます。
今週は総じて難しかったです。

今日はタイトルのとおりです。綿亘は初見でした。連亙とほぼ同じ意味ということで銘記します。この綿は、綿々と、の意味でしょうかね。

参差は、何故か全く思い浮かばず、答を見てからは、解けなかった自分に呆れています。熟語を意味も含めて知っているにもかかわらず出てこないのは、文章題ではたまにやらかしてしまいます。対策は、…文章題を数多く熟して感覚を磨くしかないのでしょうかね。

コメントで昨日までの分も含めて分も含めて、出題ありがとうございました。

  • 2019/05/10(金) 08:36:57 |
  • URL |
  • ユキノシタ #VMZGbEbU
  • [ 編集 ]

同じく~

おはようございます。

ユキノシタさんがおっしゃるように今回難しかったで~す。

同じく9.10だめ~
「連衡」が浮かんでしまい「面衡」
草木が盛んにしげるような意味だと思い「蓁」が浮かび「蓁至」

僕もおぼえておきます。
明日のミニ模試楽しみ~
ありがとうございました。

  • 2019/05/10(金) 09:31:38 |
  • URL |
  • rikuroku #-
  • [ 編集 ]

文章題の難しさ

ユキノシタさん、コメントありがとうございます。
今回の記事は、難しいとは思っていましたが、9,10が難問というのはやや意外でした。

「亘(亙)」は、同義の「連亘」「綿亘」の二つだけを覚えておけば良いと考えています。
仰る通り、「綿綿」や「連綿」の「綿」の意味でしょうね。

文章題で知っている語が答えられないというのはよくありますね。
語選択や対類とは異なり、意味が完全に限定されない状態で考えることが多いので、独特の難しさがあると思います。
文章の中でどのように使われているのかを知ることで、ある程度感覚が掴めるようにはなるとは思いますが、これといったパターンがすぐに見つかるわけでも無いので、地道な努力が必要かもしれませんね…。

今週分の他の記事にも挑戦していただいたようで、こちらこそありがとうございました。

  • 2019/05/10(金) 11:07:46 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

かなりの難問回

rikurokuさん、コメントありがとうございます。
実力のあるお二人が難しいと仰るということは、相当難しかったようですね💦

調べてみたところ、「参差」は枝がふぞろいに伸びている状況で使われている使用例が幾つか見られました。
他には、建物が林立している場面でも比較的使用されているようです。

ちなみに、もし「蓁至」という言葉があるなら、「~として」ではなく「~して」と繋がるかもしれませんね。
使い方はいくらでも例外があるので、はっきりと言えない部分ではありますが…。

明日のミニ模試もよろしくお願いします。
こちらこそありがとうございました。

  • 2019/05/10(金) 11:26:44 |
  • URL |
  • spaceplusKK #hHfHWlpo
  • [ 編集 ]

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