文章題書き取り問題(選択形式)です。
語群(1~5):[おうか、さいはい、しか、しゅんじゅん、にゅうしゅう]
◇総じて書生上がりの細脛を使いこなすことは、実に容易なことではない。彼らはただ文字の上から労働神聖を(1.オウカ )するに過ぎずして、とうてい実行の人たることは出来ない。せっかく空想を捨て、着実な職業を学ばんとした決心は殊勝であるが、彼らの心底には(恐らく自分にも心づかざるべし)なお職業というものを一種の軽侮心をもって視るゆえに、労働に従事しつつ馬鹿馬鹿しいとの念が失せることなく、その職に趣味を感ずるに至らずして中途で廃するものが多い。
また彼らは女学生上がりが奥様風を好んで町人風を装うのを厭がる如く書生上がりの職人も昔の書生風を脱却するに(2.シュンジュン)躊躇するものの如く見える。同じ朋輩の職人や小僧と共に外出するにも、自分だけは羽織袴にステッキという扮装で、一見子弟を率いる先生の如くである。これ甚だ些細のことであるが、必竟書生風を脱し得ない輩は、その覚悟もまだまだ本気でなく、(3.ニュウシュウ)さが取れていないことを証明するのと見て差し支えはない。また体力においても、小僧から鍛錬されたものよりははるかに弱くして、忍耐力少なく、僅かの労働にもたちまち疲労を来し、また自ら苦痛を感ずること甚だしいので、主人側でもこの書生上がりの職人を雇うことは非常に不得策で、使いにくいこと予想の外である。(相馬愛蔵「私の小売商道」より)
◇従来の古白俳句に対する評価は、次の子規の二つの記述に大きく依存している。
・「二十四年の秋、俳句句合数十句を作る。趣向も句法も新しく且つ趣味の深きこと当時に在りては破天荒ともいうべく余等(4.サイハイ )を驚かせり。<中略>此等の句はたしかに明治俳句界の啓明と目すべき者なり。<中略>二十五年六年七年と漸次に古白の俳句も進みたるに拘わらず、二十七年の頃より彼は却って月並調を学びて些細の穿ちなどを好むに至り、その俳句は全く価値を失いたり。」
・「其の草稿を取って熟読するに及んで歌俳小説尽く(5.シカ )多くして残すに足らず。完全なるは十数首の俳句のみ。」(藤井英男編「藤野古白句集」より)
<ヒントの表示(1~5)>
語群(6~10):[うんか、きぎ、しゅうらん、ふとう、ろうかい]
◇…蓋し古より能く人心を(6.シュウラン)するものは、決して術数権謀の士に非ず。…(中略)…唯誠実の士にして智慧を用いるもの、始めて能く誠実をして好方便たらしむるを得るのみ、田中正造氏の如き稍々之を得たり。…(中略)…
試しに見よ、鉱毒問題は古河市兵衛氏と地方一部の農民との間に起これる一小事件のみ。決して之を天下の大問題と謂う可からず。而も田中氏が一たび此の問題を持把して下院に現るるや、其の声頗る大にして、終に下院を動かし、政府を動かし復之を一小事件と認むる能わざるに至らしめたり。彼は此の問題に於いて(7.ロウカイ )縦横なる後藤伯と争えり。才弁多智なる陸奥伯と争えり、而して一方に於いては、大胆にして術数ある古河氏を相手として、(8.フトウ )不屈の戦闘を継続したり。種々の誘惑種々の恐嚇種々の圧力は、絶えず彼及び彼の代表せる地方民を掩襲したるに拘わらず、彼は一切之を排除して、曽て窘窮したる迹を示さず。是其の戦略巧妙にして進退掛け引き善く(9.キギ )に適するものあるが為なり。…(中略)…彼は現内閣と地方民との間に立ちて、再び此の問題を解釈せざる可からざる位地に在り。是彼が為に最も困難なる位地なりと謂う可し。而も彼は(10.ウンカ )の如く押し寄せ来れる請願人民に対して、死を以て此の問題の為に尽力す可きを誓う。…(鳥谷部春汀「明治人物月旦(抄)」より)
<ヒントの表示(6~10)>
<解答の表示>
1.謳歌
2.逡巡/逡遁/遁巡
3.乳臭
4.儕輩
5.疵瑕
6.収攬
7.老獪
8.不撓
9.機宜
10.雲霞
"ダミー無し10問セット"の語選択問題です。
1.当て推量。 2.書生。 3.うちわもめ。
4.夜明け。 5.歳月。 6.人の死ぬこと。
7.縦横の道。交差点。 8.天子の象徴。転じて、貴重なもの。
9.才能などを包み隠す。 10.滅びた家の残った子孫。
語群:[うと、きゅうてい、しま、せんぱく、そうまい、
そくせい、そだい、とうかい、ないこう、よげつ]
<ヒントの表示>
1.しま 2.そだい 3.ないこう 4.そうまい 5.うと
6.そくせい 7.せんぱく 8.きゅうてい 9.とうかい 10.よげつ
<解答の表示>
1.揣摩
2.措大/醋大
3.内訌
4.爽昧
5.烏兎
6.即世
7.阡陌
8.九鼎
9.韜晦
10.余櫱/余孼
このシリーズは今回が今季最終回で、本試験R1-2の後に再開予定です。
今日中にここまでの問題を纏めたPDFを公開します。
ここまでお付き合いいただき、どうもありがとうございました。
来週はこれまでの出題した故事熟語の復習テストを予定しています。
「故事熟語対策問題」シリーズの今季分の問題を纏めたPDFを公開します。
(シリーズの「その1」~「その12」を纏めています。)
「故事熟語対策問題(1~12)」というPDFで、問題は3ページ、解答は2ページです。
「ヒント」は載せておりませんので、予めお含みおきください。
ダウンロードはコチラから↓
http://ux.getuploader.com/spaceplus01/時間が経って見つけられない時のために、「故事熟語対策問題」の検索結果画面をリンクしておきます。→
コチラ問題文が縦に並んでいる部分は、順番を間違えやすいかもしれません。
問題番号を確認しつつ挑戦していただければと思います。
R1-1の合格率などのデータが出ましたので、とりあえず速報(?)いたします。
2019年度 第1回の受検データ
1級
合格者数:
93人合格率:
7.8%https://www.kanken.or.jp/kanken/investigation/result/2019.html#anc01こちらの内容をツイートしたかったのですが、何故かツイートできませんでした💦
この結果についての感想等は後程追記いたします🙇
以下、追記です。
まずは、これまでのデータと比較してみましょう。

過去5年の合格率の平均は約8.9%ですので、今回の7.8%は「やや難」といったところでしょうか…?
いずれにせよ、リピーターの多い試験でこの合格率なので、初合格を目指すのは簡単ではありませんね。
試験直後の記事を見ると「H30-2程度の難易度」と予想していましたが、H30-2が7.4%ですので、その予想は当たったと言っていいかもしれません(^^)v
H30-2程度の難易度であったことで、心配な点があります。
H30-2の後、H30-3では難易度が再び上がっている点です。
もしこのときに「7%台では高すぎる」と考えて難化させたのだと仮定すると、次回の試験も同様に難化する可能性があります。
勿論今の時点ではどうなるかは分かりませんが、難化を覚悟しておいた方が良いかもしれませんね(苦笑)
さて、合格率以外のデータも見てみましょう。
今回は志願者数、受検者数の両方が増加していました。
一時は受検者数が減少傾向が際立っていましたが、ここ最近は増加と減少を繰り返すようになりましたね。
このまま一定数を保つか、出来れば増加に転じていってもらいたいところです。
(ちなみに・その1)実は、この記事を書いている時点ではまだ、試験データのページを正規のルートでは見ることができません。
去年と同じくアドレスの書き換えにより、こっそりと覗いている状態です(笑)
ただ、去年は「29」を「30」に書き換えれば良かったのに対して、今年は令和になったために、何に書き換えれば良いのかが分かりませんでした。
そのため、「31」「1」「01」「r1」「r01」といった候補を全てチェックすることになり、少々面倒でした…^^;
正解(?)は「2019」でしたね。
(上記のリンクは後程削除するかもしれません。)
(ちなみに・その2)(記事の冒頭で触れましたが、)ツイート出来なかったのは、ツイッターの不具合があったようですね…。
この記事のお知らせも、出すことが出来ませんでした🙇
上記のように、正規でない方法でページを覗いたので、漢検さんに呪われたのかと思いました(笑)
(ちなみに・その3)消費税が10%に上がりましたね。
漢検HPによると、
「2019年度漢検・文章検の検定料に関しまして、消費税率引き上げに伴う検定料の改定はございません。」とのことです。
1級の場合は5000円のままということで、一安心(?)ですね^^
類義語問題です。(対義語はありません。)
1.暴怒 2.番兵 3.嬌艶 4.曲尽 5.鼎臣
6.端座 7.前腕 8.隕泗 9.入滅 10.碧海
11.判子 12.財布 13.弁当 14.湿布 15.虎子
語群:[あんぽう、いんか、かいもん、かはく、きざ、
きゅうてい、きんのう、こうちゅう、じゅそつ、せっき、
せんげ、せんけん、そうめい、ふんい、るげん]
(↑語群の選択肢をクリックすると、線を引いて消すことができます。
ページの更新をしないと、元には戻せませんのでご注意ください。)
◇ヒント(読みを確認したい番号をクリックしてください)
①ふんい ②じゅそつ ③せんけん ④るげん ⑤かいもん
⑥きざ ⑦かはく ⑧きゅうてい ⑨せんげ ⑩そうめい
⑪いんか ⑫きんのう ⑬こうちゅう ⑭あんぽう ⑮せっき
<ヒント全表示> <ヒント全消去>
<解答の表示>
1.忿恚/憤恚
2.戍卒
3.嬋娟/嬋姸
4.縷言
5.槐門
6.危座/危坐
7.下膊
8.泣涕
9.遷化
10.滄溟
11.印顆
12.金囊 (大見出しでない)
13.行厨
14.罨法
15.褻器 (大見出しでない)
文章題書き取り問題(選択形式)です。
語群(1~5):[えんぜん、けいご、けいぜん、こうたん、ゆうすい]
◇…余は此の一誓言の中に、亦多少の計画、多少の作用を含蓄するものあるを信ず、彼は元来非常の神経質なり。故に喜怒共に極めて激烈なりと雖も、其の人心の詭秘を見ること甚だ深刻にして、容易に他の欺く所とならざらんことを勉む。是彼の一政友が、常に此の一事を以て彼の欠点なりとする所なり。されど彼が下院に於ける演説の敵の皮肉を穿つの(1.ケイゴ )多きは、其の能く人心の弱点を看破するの明あるが為にして、其の時として(2.コウタン)附会に類するの言論あるは、亦余りに暗黒の一面を偏視するが為なり。若し彼をして今少し真面目ならしめ、今少し健全の思想を有せしめば、彼は代議士として実に得易からざるの人物なり。惜しいかな無学にして大体に通ぜず、無識にして組織的成見を有せず。是其動もすれば正径を誤るの盲動ある所以なり。
されど彼は兎も角下院の名物なり。彼動けば、議場は一個の劇壇にして、彼は(3.エンゼン)たる政治的俳優なり。是彼が名の海内に持て囃さるる所以に非ずや。(鳥谷部春汀「明治人物月旦(抄)」より)
◇土地では弘法様のお祭、お祭といっているが春秋二季の大式日、月々の命日は知らず、不断、この奥の院は、長々と螺線をゆるく田畝の上に繞らした、処々、萱薄、草々の茂みに立ったしるべの石碑を、杖笠を棄てて彳(たたず)んだ順礼、道しゃの姿に見せる、それとても行くとも皈(かえ)るともなく(4.ケイゼン)として独り佇むばかりで、往来の人は殆どない。またそれだけに、奥の院は(5.ユウスイ)森厳である。(泉鏡花「遺稿」より)
<ヒントの表示(1~5)>
語群(6~10):[さたん、しゅれん、しょし、せいしょく、とうじょう]
◇往年出版(6.ショシ )の横暴を叫んだ時もあったが、近年は小売書店が横暴を極めて居るそうである、がモ一つ転じて読者の横暴時代に化さねばならぬと法学博士某が云った、読者の横暴とは如何の事か知らない、書店で立ち読みして買わないのは横暴でなく卑劣の横着であるが、円本出版屋の方では、横暴読者既に在り、予約を無視して中途で破約するのは横暴であると云うだろう、此の種の横暴には我が輩大(7.サタン )大賛成である。(宮武外骨「一円本流行の害毒と其裏面談」より)
◇領主「ベンヺーリオーよ、此の無慙な(8.トウジョウ)を始めたのは誰じゃ?」
ベンヺ「チッバルトにござります、ロミオに殺されたましたる。ロミオは言葉穏やかに、此の争端の取るに足らぬ由を反省させ、二つには殿のお怒りを思いやれ、と(9.セイショク)を和らげ、膝を曲げて、さまざまに申しましたなれども、中裁には耳を仮しませぬチッバルト、理不尽なる怒りの切っ先、只一突きにとマーキューシオー殿の胸元をめがけて突いてかかりまする、此方も同じく血気の勇士、なにを小才覚(ちょこざい)なと立ち向かい、氷の死の手をば引ッ外して右手に附け入りまする(10.シュレン )の切っ先、それを撥ね反すチッバルト。」(ウィリアム・シェークスピア「ロミオとヂュリエット」より)
<ヒントの表示(6~10)>
<解答の表示>
1.警語 (大見出しでない)
2.荒誕 (大見出しでない)
3.宛然
4.煢然
5.幽邃
6.書肆
7.左袒
8.闘諍 (大見出しでない)
9.声色 (大見出しでない)
10.手練
二週間ごとに書いている個人的な計画の記事です。
興味のある方のみコチラ↓
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類義語問題です。(対義語はありません。)
1.謹慎 2.泰平 3.勅命 4.勝敗 5.予見
6.剃度 7.直往 8.田疇 9.後妻 10.厳凍
11.下痢 12.開敞 13.詆譏 14.槐門 15.伯仲
語群:[えいしゅ、がいあん、かいちょく、ぎゃくと、けいしつ、
けっこう、こうかつ、ごかん、しゃか、しゅくはつ、
ばくしん、ばり、りんじ、れんぷ、ろうほ]
(↑語群の選択肢をクリックすると、線を引いて消すことができます。
ページの更新をしないと、元には戻せませんのでご注意ください。)
◇ヒント(読みを確認したい番号をクリックしてください)
①かいちょく ②がいあん ③りんじ ④えいしゅ ⑤ぎゃくと
⑥しゅくはつ ⑦ばくしん ⑧ろうほ ⑨けいしつ ⑩ごかん
⑪しゃか ⑫こうかつ ⑬ばり ⑭れんぷ ⑮けっこう
<ヒント全表示> <ヒント全消去>
<解答の表示>
1.戒飭
2.艾安/乂安
3.綸旨
4.贏輸
5.逆睹/逆覩
6.祝髪
7.驀進
8.壟畝/隴畝
9.継室
10.冱寒
11.瀉下
12.広闊/宏闊
13.罵詈
14.蓮府
15.拮抗/頡頏
文章題書き取り問題(選択形式)です。
語群(1~5):[がちゅう、とれつ、ばんくつ、ゆうこん、れいろう]
◇谷を上って峰がまた転ずると、今度は薊谷と共に雲仙の二大渓谷であり、また同じ旧噴火口であるところの鬼神谷の真上に出る。ここでは国見岳が正面に見え、左に妙見右に江丸と外輪山が、環状に(1.トレツ )して普賢に向かっている有り様がよく分かる。鬼神谷は深くその間に落ち込んでいるので、暫くこの落葉樹林に包まれた美くしい渓谷を見下ろしながら、岨伝いに進んで行く。道はますます嶮しくなるが、次第に絶頂に近づき、巨大なくましでが純林風に(2.バンクツ)している中をぬけて出ると、天地は忽ち開けて、一千三百六十米の普賢の絶頂に立つ。
高さからいうと、山岳としてはいうに足らぬが、さてもその展望の(3.ユウコン)秀麗なることよ。雲仙がその景観において、山岳中の首位に推されることの当然さを、一たび普賢の絶頂に立ったものは、誰でも首肯するであろう。(菊池幽芳「雲仙岳」より)
◇椿岳の米三郎は早くから絵事に志した風流人であって、算盤を弾いて身代を肥やす商売人肌ではなかった。…(中略)…丁度兄の伊藤八兵衛が本所の油堀に油会所を建て、水藩の名義で金穀その他の運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する必要があったので、伊藤は専ら椿岳の米三郎を交際方面に当たらしめた。
伊藤は(4.ガチュウ)一方の人物で、眼に一丁字なく、かつて応挙の王昭君の幅を見て、「椿岳、これは八百屋お七か」と訊いたという奇抜な逸事を残したほどの無風流漢であった。随って商売上武家と交渉するには多才多芸な椿岳の斡旋(とりもち)を必要としたので、八面(5.レイロウ)の椿岳の才機は伊藤を助けて算盤玉以上に伊藤を儲けさしたのである。(内田魯庵「淡島椿岳」より)
<ヒントの表示(1~5)>
語群(6~10):[あゆ、おとく、ぎもう、くく、こうはく]
◇栃木県庁は谷中村買収を行うに当たり、村役場を占領して村民誘拐の事務所とし(6.コウハク)を散じて良民を惑乱し或いは威嚇し、而して誘拐したる人民を冷遇しつつあり。…(中略)…
村民中買収の手先となりて官より報酬を受け居る悪徒は一人にても多く誘拐して移住せしむれば自己の利益となるが故に、(7.アユ )佞弁を以て良民を(8.ギモウ )し之を誘拐して窮地に陥るることを勉めつつあり。之に依りて生ずる弊害は実に少なからずして犯罪的行為も亦公行されつつあり。彼等悪徒は(9.クク )たる銅臭のために其の良心を(10.オトク )せられ同郷の友を殺して私利を貪るに汲々たり。嗚呼されば彼等を馳せて悪徒たらしめたる者は果して誰ぞや。(田中正造「非常歎願書」より)
<ヒントの表示(6~10)>
<解答の表示>
1.堵列
2.盤屈/蟠屈
3.雄渾
4.牙籌
5.玲瓏
6.黄白
7.阿諛
8.欺罔
9.区区
10.汚瀆
これまでに「故事熟語対策問題」シリーズで出題した熟語の復習問題を出題します。
出題形式は、類義語問題5問+文章題書き取り(選択形式)問題5問の計10問です。
出題内容の難易度は高めですが、全てこれまでに出題済みのものですので、全問正解を目指して取り組んでいただければと思います。
尚、これまでの問題を解いていない方にとっては、超難問の内容と思われますのでご注意ください。
1~5は類義語問題です。(対義語はありません。)
1.嬰児 2.直言 3.無始 4.史書 5.詠誦
語群(1~5):[がいてい、かんせい、こうごう、しんこ、ふき]
<ヒントの表示(1~5)>
1.がいてい 2.ふき 3.しんこ 4.かんせい 5.こうごう
6~10は文章題書き取り問題(選択形式)です。
語群(6~10):[あんごう、けいがい、けいかつ、ぜんだく、ようげん]
6.諸陵寮の小さい応接所で、わたくしは初めて外崎さんに会った。飯田さんの先輩であったとは違って、この人はわたくしと齢も相若くという位で、しかも史学を以て仕えている人である。わたくしは(ケイガイ)故きが如き念いをした。(森鴎外「渋江抽斎」より)
7.しかし「百万人の文学」にとって、さらに重要なのは、先にもちょっと云ったように、即刻即座の反響である。これがなければ、どんな通俗小説も市場価値においては、紙屑同然である。現に、今日楽しんで読まれさえすれば、明日は屑籠に投げ込まれても本望だと(ヨウゲン)して憚らない作家がある。いい覚悟だというほかはない。(青野季吉「百万人のそして唯一人の文学」より)
8.けれど秀吉は、それを不愉快らしくは少しも聞かなかった。むしろこういうはっきりした男も大いによろしい。いったん義によって(ゼンダク)しながら後になって利害損得にぐちぐちいうよりは遥かにましである。(吉川英治「新書太閤記」より)
9."たなばたつめ"とは、"たな"(湯河板挙)の機中に居る女と言う事である。銀河の織女星は、さながら、"たなばたつめ"である。年に稀におとなう者を待つ点もそっくりである。こうした(アンゴウ)は、深く藤原・奈良時代の漢文学かぶれのした詩人、其から出た歌人を喜ばしたに違いない。(折口信夫「水の女」より)
10.九月廿七日。秋晴の空雲翳なし。高輪南町に手頃の売家ありと聞き、往きて見る。楽天居の門外を過ぎたれば(ケイカツ)を陳べんと立ち寄りしが、主人は不在なり。猿町より二本榎を歩みて帰る。(永井荷風「断腸亭日乗」より)
<ヒントの表示(6~10)>
<解答の表示>
1.孩提
2.不諱/不忌
3.振古
4.汗青
5.口号
6.傾蓋
7.揚言
8.然諾
9.暗合
10.契闊
類義語問題です。(対義語はありません。)
1.寒温 2.羽觴 3.典籍 4.要諦 5.早世
6.従容 7.叡算 8.禅譲 9.睨視 10.困難
11.湯沐 12.寡聞 13.装着 14.漁夫 15.目睫
語群:[あんじょ、がいさい、かんけん、かんけん、かんけん、
かんけん、しせき、しゅさん、そうよく、そんい、
はいよう、はくすいろう、へんちつ、ほうれき、ようせい]
(↑語群の選択肢をクリックすると、線を引いて消すことができます。
ページの更新をしないと、元には戻せませんのでご注意ください。)
◇ヒント(読みを確認したい番号をクリックしてください)
①かんけん ②しゅさん ③へんちつ ④かんけん ⑤ようせい
⑥あんじょ ⑦ほうれき ⑧そんい ⑨がいさい ⑩かんけん
⑪そうよく ⑫かんけん ⑬はいよう ⑭はくすいろう ⑮しせき
<ヒント全表示> <ヒント全消去>
<解答の表示>
1.寒暄
2.酒盞
3.篇帙
4.関鍵
5.夭逝
6.晏如
7.鳳暦/宝暦 (大見出しでない)
8.遜位
9.睚眥
10.艱険/艱嶮
11.澡浴
12.管見
13.佩用
14.白水郎 (大見出しでない)
15.咫尺
最後に少しふざけてしまいました(笑)
今季も「スーパー類義語問題」にお付き合いいただきありがとうございました。
問題を纏めたPDFは、本日中に公開予定です。
来週の月~金の記事は「直前模試」を予定しています。
今季分(その13~18)の「スーパー類義語問題」を纏めたPDFを公開します。
「スーパー類義語問題(13~18)」というPDFで、問題、解答共に1ページです。
ただし、「ヒント」は載っておりません。
他の回の問題に解答のヒントが含まれる場合がありますので、その点はご注意ください。
ダウンロードはコチラから↓
http://ux.getuploader.com/spaceplus01/時間が経って見つけられない時のために、「スーパー類義語問題」の検索結果画面をリンクしておきます。→
コチラ「スーパー類義語問題」のPDFは複数ありますので、お間違いのないよう番号をご確認ください。
明日は「文章題書き取り問題」のPDFを公開予定です。
文章題書き取り問題(選択形式)です。
語群(1~5):[けんこつ、そくりょう、ひょうかく、ぶっこ、ふんぽん]
◇大叔父は所謂大通の一人で、幕末の芸人や文人の間に知己の数が多かった。河竹黙阿弥、柳下亭種員、善哉庵永機、同冬映、九代目団十郎、宇治紫文、都千中、乾坤坊良斎などの人々である。中でも黙阿弥は、「江戸桜清水清玄」で紀国屋文左衛門を書くのに、この大叔父を(1.フンポン )にした。(2.ブッコ )してから、もう彼是五十年になるが、生前一時は今紀文と綽号された事があるから、今でも名だけは聞いている人があるかも知れない。――姓は細木、名は藤次郎、俳名は香以、俗称は山城河岸の津藤と云った男である。
その津藤が或る時吉原の玉屋で、一人の僧侶と近づきになった。本郷界隈の或る禅寺の住職で、名は禅超と云ったそうである。それがやはり(3.ヒョウカク)となって、玉屋の錦木と云う華魁に馴染んでいた。…(中略)…
所がふり向いた顔を見ると、反って此方が驚いた。坊主頭と云う事を除いたら、竹内と似ている所などは一つもない。――相手は額の広い割に、眉と眉との間が険しく狭っている。眼の大きく見えるのは、肉の落ちているからであろう。左の頰にある大きな黒子は、その時でもはっきり見えた。その上(4.ケンコツ )が高い。――これだけの顔かたちが、とぎれとぎれに、慌ただしく津藤の眼にはいった。(芥川龍之介「孤独地獄」より)
◇因みにいう、ここに一つの私の発見がある。それは上の文章中に引用してある万葉歌の真鳥住(マトリスム)云々の歌中に在る菅の実の事であるが、ここには通常スゲの場合に慣用せられている菅の字が使用せられてあるので、これはやはりスゲの事だと(5.ソクリョウ)すれば忽ち誤謬に陥る事に成る。(牧野富太郎「植物記」より)
<ヒントの表示(1~5)>
語群(6~10):[いんぷ、しゅもん、そうそう、ちゅうりく、るいじゃく]
◇けだしこの二個の機関はいまだ必ずしも始めよりその職務を区別するものにあらずして、むしろ社会の(6.ソウソウ )においては相混合するものなりといわざるべからず。たとえば無事の日においては農夫となり、戦争の日においては兵士となり、国民も兵士も同一人にしてただその位地にしたがってその称号を異にするの場合においては生産機関も、武備機関も、さらにその相違を見ず。生産すなわち武備、武備すなわち生産にして、かかる実例はかの頼襄が、わが朝の初めて国を建つるや、政体簡易、文武一途、海内を挙げてみな兵なり。…(中略)…しかれども社会の進歩するや、人事いよいよ繁多に赴き、勢い分業の法行われざるを得ず。ここにおいてかその区別漸次に生じ、しかして戦争のつねに絶えざる場合においては武備機関はひとりいよいよ開発し、生産の機関はいよいよ収縮するに至るなり。頼襄が、いわゆる光仁・桓武の朝、彊埸(きょうえき)多事、宝亀中、廷議冗兵をはぶき、百姓を(7.インプ )にす。才、弓馬に堪うる者は、もっぱら武芸を習い、もって徴発に応ず。その(8.ルイジャク)なる者みな農業に就く。しかして兵農まったく分かる、といいしはすなわちこの事実なり。(徳富蘇峰「将来の日本」より)
◇晋の少主の時、婦人あり。容色艶麗、一代の佳。而して帯の下空しく両の足ともに腿よりなし。余は常人に異なるなかりき。其の父、此の無足婦人を膝行軌(いざりぐるま)に乗せ、自ら推しめぐらして京都の南(みんなみ)の方より長安の都に来り、市の中にて、何(ど)うぞやを遣る。聚まり見るもの、日に数千人を下らず。此の婦、声よくして唱う、哀婉聞くに堪えたり。ここに於いて、はじめは曲巷(ちまた)の其処此処より、やがては華屋、(9.シュモン )に召されて、其の奥に入らざる処殆ど尠なく、彼を召すもの、皆其の不具にして艶なるを惜しみて、金銀衣裳を施す。然るに後年、京城の諸士にして、かの北狄の回文を受けたるもの少なからず、事顕るるに及びて、官司(やくにん)、其の密使を案討するに、無足の婦人即ち然り、然も奸党の張本たりき。後遂に(10.チュウリク)せらる、恁(か)くの如きもの人妖也。(泉鏡太郎「唐模樣」より)
<ヒントの表示(6~10)>
<解答の表示>
1.粉本 (大見出しでない)
2.物故
3.飄客/嫖客
4.顴骨
5.速了 (大見出しでない)
6.草創
7.殷富
8.羸弱
9.朱門 (大見出しでない)
10.誅戮
今季も「文章題書き取り問題」にお付き合いいただきありがとうございました。
問題を纏めたPDFは、本日中に公開予定です。
来週の月~金の記事は「直前模試」を予定しています。
今季分(その13~18)の「文章題書き取り問題」を纏めたPDFを公開します。
「文章題書き取り問題(13~18)A」「文章題書き取り問題(13~18)B」という2種類のPDFがあり、それぞれ問題は6ページ、解答は1ページです。
前回同様、
Aが
通常の書き取り形式、
Bが
語選択の書き取り形式です。
語選択形式のPDFにも「ヒント」は載せておりませんので、ご注意ください。
ダウンロードはコチラから↓
http://ux.getuploader.com/spaceplus01/時間が経って見つけられない時のために、「文章題書き取り問題」の検索結果画面をリンクしておきます。→
コチラPDFは複数ありますので、お間違いのないよう番号をご確認ください。
試験までは残りあと僅かですので、深追いの無いよう十分ご注意ください。
上手くご活用いただければ幸いです。
拙模試や資料が「ダウンロードできない」という報告が、ここ最近何件か続きました。
他にもダウンロードができないという方がいらっしゃるかもしれないので、情報を纏めておきます。
解決された方からの情報によると、実際はダウンロードが完了しているにもかかわらず、それに気付きにくい状態になっていたようです。
ダウンロードが済むと、これまでは「ダウンロード完了画面」が出ていたと思いますが、不具合が生じているのか、今確認するとその画面が出なくなっています。
(ダウンロードしたものが自動で表示される場合は別ですが、)これではダウンロードに失敗したと感じるのも無理はありません。
機種によって操作法は異なるかと思いますが、「ダウンロードしたファイルの一覧」のような画面を確かめてみると、ダウンロード出来ている場合は、ファイルがちゃんとあることが確認できるはずです。
ダウンロードできないと感じたら、まずはその画面を確認してみてください。
(大抵は、下向きの矢印「↓」や下向きの三角「▽」などのマークのボタンで表示されると思います。)
一覧を探してもファイルが見つからない場合は、ダウンロード自体に失敗していることが考えられます。
その場合は、少し時間をおいて再度ダウンロードしてみてください。
それでもダウンロードできなかった場合には、コメントなどでご報告いただければと思います。
本試験R1-2まで1週間を切りました。
今回も直前のチェック用に、記事形式で模試を公開したいと思います。
これまでの直前模試と同じく、月~金の5日間で40点分ずつ分けて出題します。
今回は一部の分野で難問が多くなってしまったかもしれません。
ただ、ケアレスミスを減らすことができれば、ある程度まとまった点数は取れるのではないかと予想しています。
実力を試すためというよりも、気を付けるべき点を確認するための出題のつもりです。
従って、自信を無くす可能性のある場合には、試験直前での挑戦はオススメしません。
尚、金曜日に記事が全てが出揃いますが、出題に不備が無いことが確認され次第、PDFに纏めたものを出す予定です。
一度に全問挑戦したいと思われる方は、金曜夕方頃までお待ちいただいて、PDF版で挑戦していただければと思います。
それでは本日分の出題です。
本日は、
「(五)熟字訓・当て字」(10点満点)と
「(九)文章題」(30点満点)です。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
続きを読む
「R1-2直前模試」の2つ目の記事です。
本日は、
「(七)対義語・類義語」(20点満点)と
「(八)故事・成語・諺」(20点満点)です。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
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「R1-2直前模試」の3つ目の記事です。
本日は、
「(四)四字熟語」(30点満点)と
「(六)音熟語・一字訓読み」(10点満点)です。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
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「R1-2直前模試」の4つ目の記事です。
本日は、
「(一)読み」(30点満点)と
「(三)語選択」(10点満点)です。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
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「R1-2直前模試」の5つ目、最後の記事です。
本日は、
「(二)書き取り」(40点満点)です。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
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「R1-2直前模試」の記事5つを、通常の形式に変更しPDFに纏めました。
試験直前ですので、不備などを見つけられた場合、積極的に指摘していただけると助かります。
基本的な注意点は通常の模試と同じですので、省略させていただきます。
「R1-2直前模試」(問題/ヒント/解答)は、コチラ↓からダウンロードできます。
http://ux.getuploader.com/spaceplus01/また、公開から時間が経っていて見つけられないときのために、「R1-2直前模試・」の検索結果画面をリンクしておきます。→
コチラ模試の難易度などに関しては、コチラの記事をご覧ください。
上手くご活用いただければ幸いです。
今回の外字使用部分はコチラ↓(解答が含まれる場合もあるのでご注意ください。)
<「R1-2直前模試」の外字使用部分の表示>問題(一)4「寒蛩」(出題部分でない)
問題(一)17「顳顬骨」
問題(一)29「韜まれたる」
問題(二)18「簒奪」
問題(四)問2「連璧賁臨」
解答(二)2「梲/卯建」
解答(二)15「撥音便」
解答(二)16「捩」
解答(七)3「贏利」
R1-2本試験はいよいよ明日ですね。
受検される皆さん、試験に向けた準備は万端整いましたでしょうか…?
今回は、台風被害の影響によって受検を断念された方もいらっしゃるかもしれませんね…。
被害によっては簡単ではない場合もあるかと思いますが、普段の生活を取り戻して、また近いうちに受検できることを祈っております。
さて、過去に書いたものと同じような内容ではありますが、本番での注意点を幾つか書いておきたいと思います。
①三文字目の読み忘れや書き忘れはありませんか?
二字熟語の出題に紛れて、三字以上の読み問題、書き問題が出題されることがあります。
傍線部を確認して、三文字目が抜けていないかどうかご注意ください。
②語群にない語を書いていませんか?
特に四字熟語問題の「(被髪)纓冠」と「(被髪)文身」など、語群によって答えが決定する問題が出題される可能性があります。
語群を確認せずに回答してしまうこともあるかと思いますが、回答時や見直し時にしっかり語群をチェックしておくことをオススメします。
③解答欄がズレていませんか?
分からない問題を飛ばしたときなど、解答欄のズレには十分ご注意ください。
特に大問丸々間違えてしまうと、修正するのに大幅なタイムロスになってしまいますので、(七)~(九)のあたりを解き進める際には、しっかりと問題番号をご確認ください。
こんなところでしょうか…?
今回受検される皆さんが、明日の試験を悔いなく終えられることを願っています。
受検された皆さんお疲れさまでした。
試験の出来や正答が気になるところだと思いますが、まずは一息ついていただければと思います。
今回も以下に試験問題に関する情報を随時追記する予定です。
PC版でご覧の方は、画面右のツイッター欄も参考にしていただければと思います。
以下、追記です。
文章を探すのが大変そうなので後回しにして(苦笑)、とりあえず解答と思われるものを載せておきます。
急いで記入しているため、ミスがあるかもしれませんが、随時修正していきます。
ミスを見つけられた場合は、コメント等していただければ幸いです。
※2ヶ所((四)(九)で1問ずつ)に誤りがあったため、修正を行っております。
既にご覧になった方は、お手数ですがご確認いただければと思います。(追記)標準解答が公開されたため、加筆修正を行いました。
特に、文章題読みエの標準解答が異なっており、大変ご迷惑をおかけしました。「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
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本試験R1-2に関して、記事を書きました。
今回は書き方や内容を変更して、特に初合格を目指す方に向けて書いています。
飽くまで個人の意見ではありますが、参考にしていただければ幸いです。
(本日の標準解答公開を受けて、
先日の記事の解答を加筆・修正しております。
まだご覧になっていない方は、お手数ですがご確認ください。
なお、(九)エの解答は、複数認められる可能性もあると思いますので、今回の記事では触れないこととしました。)
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。
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試験から10日ほど経って、試験の熱(?)も随分と治まった頃でしょうか(笑)
弊ブログも暫くお休みしますが、その間に今後出題する問題を準備するつもりです。
今のところ、再来週には記事での出題を再開予定です。
…とはいうものの、何も出さないのもどうかと思ったので、以前に公開したゲーム「漢検1級四字熟語クイズ」の続編を公開したいと思います。
「漢検1級四字熟語クイズ その2」
https://scratch.mit.edu/projects/310910532↑リンクはこちら。(Internet Explorerは不可。)
モードによっては
音が出ますのでご注意ください。
基本的には前作の「
その1」と同じですので、詳しい説明はそちらでご確認ください。
前作との大きな違いは、
制限時間と
クリアに必要な正解数、そして
出題内容です。
制限時間は100秒から
120秒に伸びましたが、クリアに必要な正解数も三問から
四問に増えていて難易度は上がっています。
出題内容は、前回と同じく1級配当四字熟語ですが、前作とは異なる150問の中からランダムに出題されます。
他にも、オープニングや背景なども変わっています。
ストーリー(?)は一応前作からの続きです。
もう1点主要な違いがあるのですが、それはプレイしてみてのお楽しみということで(笑)
拙作ではありますが、楽しんでいただければ幸いです。