漢検1級模擬試験倉庫

文章題書き取り問題(13~18)

今季分(その13~18)の「文章題書き取り問題」を纏めたPDFを公開します。

「文章題書き取り問題(13~18)A」「文章題書き取り問題(13~18)B」という2種類のPDFがあり、それぞれ問題は6ページ、解答は1ページです。
前回同様、通常の書き取り形式、語選択の書き取り形式です。

語選択形式のPDFにも「ヒント」は載せておりませんので、ご注意ください。

ダウンロードはコチラから↓
http://ux.getuploader.com/spaceplus01/

時間が経って見つけられない時のために、「文章題書き取り問題」の検索結果画面をリンクしておきます。→コチラ
PDFは複数ありますので、お間違いのないよう番号をご確認ください。



試験までは残りあと僅かですので、深追いの無いよう十分ご注意ください。
上手くご活用いただければ幸いです。

文章題書き取り問題その18

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[けんこつそくりょうひょうかくぶっこふんぽん]

◇大叔父は所謂大通の一人で、幕末の芸人や文人の間に知己の数が多かった。河竹黙阿弥、柳下亭種員、善哉庵永機、同冬映、九代目団十郎、宇治紫文、都千中、乾坤坊良斎などの人々である。中でも黙阿弥は、「江戸桜清水清玄」で紀国屋文左衛門を書くのに、この大叔父を(1.)にした。(2.)してから、もう彼是五十年になるが、生前一時は今紀文と綽号された事があるから、今でも名だけは聞いている人があるかも知れない。――姓は細木、名は藤次郎、俳名は香以、俗称は山城河岸の津藤と云った男である。
 その津藤が或る時吉原の玉屋で、一人の僧侶と近づきになった。本郷界隈の或る禅寺の住職で、名は禅超と云ったそうである。それがやはり(3.)となって、玉屋の錦木と云う華魁に馴染んでいた。…(中略)…
 所がふり向いた顔を見ると、反って此方が驚いた。坊主頭と云う事を除いたら、竹内と似ている所などは一つもない。――相手は額の広い割に、眉と眉との間が険しく狭っている。眼の大きく見えるのは、肉の落ちているからであろう。左の頰にある大きな黒子は、その時でもはっきり見えた。その上(4.)が高い。――これだけの顔かたちが、とぎれとぎれに、慌ただしく津藤の眼にはいった。
(芥川龍之介「孤独地獄」より)

◇因みにいう、ここに一つの私の発見がある。それは上の文章中に引用してある万葉歌の真鳥住(マトリスム)云々の歌中に在る菅の実の事であるが、ここには通常スゲの場合に慣用せられている菅の字が使用せられてあるので、これはやはりスゲの事だと(5.)すれば忽ち誤謬に陥る事に成る。(牧野富太郎「植物記」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[いんぷしゅもんそうそうちゅうりくるいじゃく]

◇けだしこの二個の機関はいまだ必ずしも始めよりその職務を区別するものにあらずして、むしろ社会の(6.)においては相混合するものなりといわざるべからず。たとえば無事の日においては農夫となり、戦争の日においては兵士となり、国民も兵士も同一人にしてただその位地にしたがってその称号を異にするの場合においては生産機関も、武備機関も、さらにその相違を見ず。生産すなわち武備、武備すなわち生産にして、かかる実例はかの頼襄が、わが朝の初めて国を建つるや、政体簡易、文武一途、海内を挙げてみな兵なり。…(中略)…しかれども社会の進歩するや、人事いよいよ繁多に赴き、勢い分業の法行われざるを得ず。ここにおいてかその区別漸次に生じ、しかして戦争のつねに絶えざる場合においては武備機関はひとりいよいよ開発し、生産の機関はいよいよ収縮するに至るなり。頼襄が、いわゆる光仁・桓武の朝、彊埸(きょうえき)多事、宝亀中、廷議冗兵をはぶき、百姓を(7.)にす。才、弓馬に堪うる者は、もっぱら武芸を習い、もって徴発に応ず。その(8.)なる者みな農業に就く。しかして兵農まったく分かる、といいしはすなわちこの事実なり。(徳富蘇峰「将来の日本」より)

◇晋の少主の時、婦人あり。容色艶麗、一代の佳。而して帯の下空しく両の足ともに腿よりなし。余は常人に異なるなかりき。其の父、此の無足婦人を膝行軌(いざりぐるま)に乗せ、自ら推しめぐらして京都の南(みんなみ)の方より長安の都に来り、市の中にて、何(ど)うぞやを遣る。聚まり見るもの、日に数千人を下らず。此の婦、声よくして唱う、哀婉聞くに堪えたり。ここに於いて、はじめは曲巷(ちまた)の其処此処より、やがては華屋、(9.)に召されて、其の奥に入らざる処殆ど尠なく、彼を召すもの、皆其の不具にして艶なるを惜しみて、金銀衣裳を施す。然るに後年、京城の諸士にして、かの北狄の回文を受けたるもの少なからず、事顕るるに及びて、官司(やくにん)、其の密使を案討するに、無足の婦人即ち然り、然も奸党の張本たりき。後遂に(10.)せらる、恁(か)くの如きもの人妖也。(泉鏡太郎「唐模樣」より)

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今季も「文章題書き取り問題」にお付き合いいただきありがとうございました。
問題を纏めたPDFは、本日中に公開予定です。

来週の月~金の記事は「直前模試」を予定しています。

文章題書き取り問題その17

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[がちゅうとれつばんくつゆうこんれいろう]

◇谷を上って峰がまた転ずると、今度は薊谷と共に雲仙の二大渓谷であり、また同じ旧噴火口であるところの鬼神谷の真上に出る。ここでは国見岳が正面に見え、左に妙見右に江丸と外輪山が、環状に(1.)して普賢に向かっている有り様がよく分かる。鬼神谷は深くその間に落ち込んでいるので、暫くこの落葉樹林に包まれた美くしい渓谷を見下ろしながら、岨伝いに進んで行く。道はますます嶮しくなるが、次第に絶頂に近づき、巨大なくましでが純林風に(2.)している中をぬけて出ると、天地は忽ち開けて、一千三百六十米の普賢の絶頂に立つ。
 高さからいうと、山岳としてはいうに足らぬが、さてもその展望の(3.)秀麗なることよ。雲仙がその景観において、山岳中の首位に推されることの当然さを、一たび普賢の絶頂に立ったものは、誰でも首肯するであろう。
(菊池幽芳「雲仙岳」より)

◇椿岳の米三郎は早くから絵事に志した風流人であって、算盤を弾いて身代を肥やす商売人肌ではなかった。…(中略)…丁度兄の伊藤八兵衛が本所の油堀に油会所を建て、水藩の名義で金穀その他の運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する必要があったので、伊藤は専ら椿岳の米三郎を交際方面に当たらしめた。
 伊藤は(4.)一方の人物で、眼に一丁字なく、かつて応挙の王昭君の幅を見て、「椿岳、これは八百屋お七か」と訊いたという奇抜な逸事を残したほどの無風流漢であった。随って商売上武家と交渉するには多才多芸な椿岳の斡旋(とりもち)を必要としたので、八面(5.)の椿岳の才機は伊藤を助けて算盤玉以上に伊藤を儲けさしたのである。
(内田魯庵「淡島椿岳」より)

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語群(6~10):[あゆおとくぎもうくくこうはく]

◇栃木県庁は谷中村買収を行うに当たり、村役場を占領して村民誘拐の事務所とし(6.)を散じて良民を惑乱し或いは威嚇し、而して誘拐したる人民を冷遇しつつあり。…(中略)…
 村民中買収の手先となりて官より報酬を受け居る悪徒は一人にても多く誘拐して移住せしむれば自己の利益となるが故に、(7.)佞弁を以て良民を(8.)し之を誘拐して窮地に陥るることを勉めつつあり。之に依りて生ずる弊害は実に少なからずして犯罪的行為も亦公行されつつあり。彼等悪徒は(9.)たる銅臭のために其の良心を(10.)せられ同郷の友を殺して私利を貪るに汲々たり。嗚呼されば彼等を馳せて悪徒たらしめたる者は果して誰ぞや。
(田中正造「非常歎願書」より)

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文章題書き取り問題その16

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[えんぜんけいごけいぜんこうたんゆうすい]

◇…余は此の一誓言の中に、亦多少の計画、多少の作用を含蓄するものあるを信ず、彼は元来非常の神経質なり。故に喜怒共に極めて激烈なりと雖も、其の人心の詭秘を見ること甚だ深刻にして、容易に他の欺く所とならざらんことを勉む。是彼の一政友が、常に此の一事を以て彼の欠点なりとする所なり。されど彼が下院に於ける演説の敵の皮肉を穿つの(1.)多きは、其の能く人心の弱点を看破するの明あるが為にして、其の時として(2.)附会に類するの言論あるは、亦余りに暗黒の一面を偏視するが為なり。若し彼をして今少し真面目ならしめ、今少し健全の思想を有せしめば、彼は代議士として実に得易からざるの人物なり。惜しいかな無学にして大体に通ぜず、無識にして組織的成見を有せず。是其動もすれば正径を誤るの盲動ある所以なり。
 されど彼は兎も角下院の名物なり。彼動けば、議場は一個の劇壇にして、彼は(3.)たる政治的俳優なり。是彼が名の海内に持て囃さるる所以に非ずや。
(鳥谷部春汀「明治人物月旦(抄)」より)

◇土地では弘法様のお祭、お祭といっているが春秋二季の大式日、月々の命日は知らず、不断、この奥の院は、長々と螺線をゆるく田畝の上に繞らした、処々、萱薄、草々の茂みに立ったしるべの石碑を、杖笠を棄てて彳(たたず)んだ順礼、道しゃの姿に見せる、それとても行くとも皈(かえ)るともなく(4.)として独り佇むばかりで、往来の人は殆どない。またそれだけに、奥の院は(5.)森厳である。(泉鏡花「遺稿」より)

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語群(6~10):[さたんしゅれんしょしせいしょくとうじょう]

◇往年出版(6.)の横暴を叫んだ時もあったが、近年は小売書店が横暴を極めて居るそうである、がモ一つ転じて読者の横暴時代に化さねばならぬと法学博士某が云った、読者の横暴とは如何の事か知らない、書店で立ち読みして買わないのは横暴でなく卑劣の横着であるが、円本出版屋の方では、横暴読者既に在り、予約を無視して中途で破約するのは横暴であると云うだろう、此の種の横暴には我が輩大(7.)大賛成である。(宮武外骨「一円本流行の害毒と其裏面談」より)

◇領主「ベンヺーリオーよ、此の無慙な(8.)を始めたのは誰じゃ?」
ベンヺ「チッバルトにござります、ロミオに殺されたましたる。ロミオは言葉穏やかに、此の争端の取るに足らぬ由を反省させ、二つには殿のお怒りを思いやれ、と(9.)を和らげ、膝を曲げて、さまざまに申しましたなれども、中裁には耳を仮しませぬチッバルト、理不尽なる怒りの切っ先、只一突きにとマーキューシオー殿の胸元をめがけて突いてかかりまする、此方も同じく血気の勇士、なにを小才覚(ちょこざい)なと立ち向かい、氷の死の手をば引ッ外して右手に附け入りまする(10.)の切っ先、それを撥ね反すチッバルト。」
(ウィリアム・シェークスピア「ロミオとヂュリエット」より)

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文章題書き取り問題その15

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[おうかさいはいしかしゅんじゅんにゅうしゅう]

◇総じて書生上がりの細脛を使いこなすことは、実に容易なことではない。彼らはただ文字の上から労働神聖を(1.)するに過ぎずして、とうてい実行の人たることは出来ない。せっかく空想を捨て、着実な職業を学ばんとした決心は殊勝であるが、彼らの心底には(恐らく自分にも心づかざるべし)なお職業というものを一種の軽侮心をもって視るゆえに、労働に従事しつつ馬鹿馬鹿しいとの念が失せることなく、その職に趣味を感ずるに至らずして中途で廃するものが多い。
 また彼らは女学生上がりが奥様風を好んで町人風を装うのを厭がる如く書生上がりの職人も昔の書生風を脱却するに(2.)躊躇するものの如く見える。同じ朋輩の職人や小僧と共に外出するにも、自分だけは羽織袴にステッキという扮装で、一見子弟を率いる先生の如くである。これ甚だ些細のことであるが、必竟書生風を脱し得ない輩は、その覚悟もまだまだ本気でなく、(3.)さが取れていないことを証明するのと見て差し支えはない。また体力においても、小僧から鍛錬されたものよりははるかに弱くして、忍耐力少なく、僅かの労働にもたちまち疲労を来し、また自ら苦痛を感ずること甚だしいので、主人側でもこの書生上がりの職人を雇うことは非常に不得策で、使いにくいこと予想の外である。
(相馬愛蔵「私の小売商道」より)

◇従来の古白俳句に対する評価は、次の子規の二つの記述に大きく依存している。
 ・「二十四年の秋、俳句句合数十句を作る。趣向も句法も新しく且つ趣味の深きこと当時に在りては破天荒ともいうべく余等(4.)を驚かせり。<中略>此等の句はたしかに明治俳句界の啓明と目すべき者なり。<中略>二十五年六年七年と漸次に古白の俳句も進みたるに拘わらず、二十七年の頃より彼は却って月並調を学びて些細の穿ちなどを好むに至り、その俳句は全く価値を失いたり。」
 ・「其の草稿を取って熟読するに及んで歌俳小説尽く(5.)多くして残すに足らず。完全なるは十数首の俳句のみ。」
(藤井英男編「藤野古白句集」より)

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語群(6~10):[うんかきぎしゅうらんふとうろうかい]

◇…蓋し古より能く人心を(6.)するものは、決して術数権謀の士に非ず。…(中略)…唯誠実の士にして智慧を用いるもの、始めて能く誠実をして好方便たらしむるを得るのみ、田中正造氏の如き稍々之を得たり。…(中略)…
 試しに見よ、鉱毒問題は古河市兵衛氏と地方一部の農民との間に起これる一小事件のみ。決して之を天下の大問題と謂う可からず。而も田中氏が一たび此の問題を持把して下院に現るるや、其の声頗る大にして、終に下院を動かし、政府を動かし復之を一小事件と認むる能わざるに至らしめたり。彼は此の問題に於いて(7.)縦横なる後藤伯と争えり。才弁多智なる陸奥伯と争えり、而して一方に於いては、大胆にして術数ある古河氏を相手として、(8.)不屈の戦闘を継続したり。種々の誘惑種々の恐嚇種々の圧力は、絶えず彼及び彼の代表せる地方民を掩襲したるに拘わらず、彼は一切之を排除して、曽て窘窮したる迹を示さず。是其の戦略巧妙にして進退掛け引き善く(9.)に適するものあるが為なり。…(中略)…彼は現内閣と地方民との間に立ちて、再び此の問題を解釈せざる可からざる位地に在り。是彼が為に最も困難なる位地なりと謂う可し。而も彼は(10.)の如く押し寄せ来れる請願人民に対して、死を以て此の問題の為に尽力す可きを誓う。…
(鳥谷部春汀「明治人物月旦(抄)」より)

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文章題書き取り問題その14

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[きょうりょうさいぎちようぼうこらちない]

◇…余はその巨大なる外力の数値を何とかして得たいと思って努力したが、それは不成功に終わった。その不成功の原因の一つは、わが国に対する妥当でない(1.)心によるものである。しかし余の現在における希望は、もはやそういう問題をどうのこうのと論ずるにあらずして、われらはわれらの仕事に更に熱中することにある。具体的にいえば、更に強力なる耐圧船を建造することにある。われらの技術は、まだ世界人の知識にないほど進んでいるのだ。今日われらの売り出そうとする砕氷船の如きは、もはやわれらがその技術を秘密の(2.)に停めて置かなければならないようなそんな特殊なものではなくなったのだ。われらは今後も続々とわれらの技術作品を公開する考えである。(海野十三「地球発狂事件」より)

◇近時化石学上の発見甚だ多きに伴(つ)れて過去世に地上に住んだ大爬虫遺骸の発見夥しく竜談の根本と見るべきものすこぶる多い。しかし今とても竜の画のような動物は前述鱗蛇、鱷(がく)飛竜などのほかにも世界に乏しからぬ。したがって亡友カービー氏等が主張した、過去世に人間の遠祖が当身(そのみ)巨大怪異の爬虫輩の(3.)跋扈に逢った事実を幾千代後の今に語り伝えて(4.)影のごとく吾人の記憶に存するものが竜であるという説のみでは受け取れず、予はかかる仏家の宿命通説のような曖昧な論よりは、竜は今日も多少実在する鱷等の虚張談に、蛇崇拝の余波や竜巻地陥り等諸天象(5.)に対する恐怖や、過去世動物の化石の誤察等を堆(つ)み重ねて発達した想像動物なりというを正しと惟う。(南方熊楠「十二支考 -田原藤太竜宮入りの話-」より)

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語群(6~10):[えんりゅうきょしょしょとくすいたくたいか]

◇詩話の文に拠れば、梅泉は江戸に来て、其の年に又江戸を去った。蕊雲楼の祖筵は其の月日を載せぬが、「水拍欄干明鏡光、荷亭月浄浴清涼」の句は、叙する所の景が夏秋の交なることを示している。祖筵の所も亦文飾のために知り難くなっているが、必ずや池の端あたりであろう。
 次に梅泉が神辺に宿したのは何時であらうか。菅茶山の(6.)を見るに、事は書を裁した年にあって、書を裁した日の前にあると知られるのみである。即ち文化十四年の初めより八月七日に至るまでの間に、梅泉は神辺に来て泊まったのである。若し夏秋の交に江戸を去ったとすると、春夏の月日をば長崎より江戸に至る往路、江戸に於ける(7.)に費したとしなくてはならない。わたくしは梅泉が丁丑の初めに江戸に来り、夏秋の交に江戸を去り、帰途神辺に宿したものと見て、(8.)なかろうとおもう。
 わたくしは既に梅泉の生歿年を明らかにし、又略その江戸に来去した月日を(9.)した。わたくしは猶此に梅泉の画を江稼圃に学んだ年に就いて附記して置きたい。
 梅泉は長崎の人である。稼圃が来り航した時、恐らくは多く(10.)を過ごすことなく従学したであろう。田能村竹田の山中人饒舌に「己巳歳江大来稼圃者至」と書してある。己巳は文化六年である。梅泉は恐らくは文化六年に二十四歳で稼圃の門人となったのであろう。
(森鴎外「伊沢蘭軒」より)

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文章題書き取り問題その13

昨日お伝えした通り、火と金は「文章題書き取り問題」の出題です。
(「文章題書き取り問題」の詳しい説明はコチラ。)



文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[あいたいせいかせいひつぼんしょうらんまん]

◇恋愛のような人生の至宝に対しては、私たちはでき得る限り、現実生活の物的、便宜的条件によって、妥協的な、平板なものにすることをさけて、その精神性と神秘性とを保存し追究するようにしなければならぬ。心霊の高貴とか、いのちの不思議とかいうようなものは、物質を超越しようとする志向の下に初めてなりたつ事柄で、物的条件をエキスキュースにしだしては死滅してしまうのである。だから前回に述べたような現実の心づかいは実にやむを得ない制約なので、恋愛の思想――生粋(1.)はどこまでも恋愛の法則そのものに内在しているのだ。だからかわいたしみったれた考えを起こさずに、恋する以上は霞の(2.)としているような、(3.)の鳴っているような、桜の(4.)としているような、丹椿の沈み匂うているような、もしくは火山や深淵の側に立っているような、――つねに死と永遠と美とからはなれない心霊界においての恋を生きる気でなければならぬ。…(中略)…
 恋愛の宝所はパセチックばかりではない。恋の灼熱が通って、徳の調和に――さらに湖のような英知と、青空のような(5.)とに向かって行くことは最も望ましい恋の上昇である。…(中略)…燃えるような恋をして、洗われる芋のように苦労して、しかも笛と琴とのように調和して、そしてしまいには、松に風の沿うように静かになる。それが恋愛の理想である。
(倉田百三「女性の諸問題」より)

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語群(6~10):[じょうししんせいどうじゃくどうしゅうひばく]

◇…三十年前、亜米利加のペルリが、数発の砲声を以て、江戸城中を混雑せしめたる当時と今日とを並べ見るの利益を有する人々には我が文明の勢い、猶(6.)千丈、直下して障礙なきに似たる者あらんか、東西古今文明の急進勇歩、我が国の如きもの何処に在る。…(中略)…
 夫物質的の文明は唯物質的の人を生むに足れる而已(のみ)、我が三十年間の進歩は実に非常なる進歩に相違なし、欧米人をして後(しりえ)に(7.)たらしむる程の進歩に相違なし、然れども余を以て之を見るに、詮じ来れば是唯物質的の文明に過ぎず、是を以て其の文明の生み出せる健児も、残念ながら亦唯物質的の人なる耳、色眼鏡を懸け、「シガレット」を薫(くゆ)らし、「フロック、コート」の威儀堂々たる、敬すべきが如し、然れども是(8.)紛々たる人に非ずんば、黄金山を夢むるの児なり、其の中に於いて高潔の志を有し、慷慨の気を保つもの、即ち(9.)も啻ならじ、束髪峨々として緑鬖(りょくさん)額をつつみ、能く外国の人と語り、能く「ピアノ」を弾ず、看来れば宛然たる「レディス」なり、然れども其の中に存するものは空の空なるのみ、赤間ヶ関の荒村破屋に嘗て野「バラ」の如くに天香を放ちし、烈女阿正の如き、義俠深愛、貞節の如き美徳は之を貴き今日の(10.)軍に求むべからず、…
(山路愛山「英雄論 -明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿-」より)

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同音異義問題(17~26)

「同音異義問題」シリーズの問題を纏めたPDFを公開します。
今回は「その17」~「その26」を纏めたものです。

「同音異義問題(17~26)」というPDFで、問題は8ページ、解答は2ページです。
各回の問題はページを跨いで載っているものもあります。
印刷された際には、順番を間違えないようご注意ください。

なお、PDFには「ヒント」は載せておりません。

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時間が経って見つけられない時のために、「同音異義問題」の検索結果画面をリンクしておきます。→コチラ
「同音異義問題」のPDFは複数ありますので、お間違えのないよう番号をご確認ください。

なお、このシリーズでは1級熟語をメインにした「その1」~「その10」の問題が最も重要度が高いと思われますので、そちらを中心に取り組まれることをオススメします。



ちなみに、本日(9/20)が試験R1-2の申し込み期限です。
受検予定で申し込みがまだの方はお忘れの無いようお気を付けください。

同音異義問題 その26

同音異義問題を出題します。(詳しくはコチラ

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同音異義問題 その25

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同音異義問題 その24

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同音異義問題 その23

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同音異義問題 その22

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同音異義問題 その21

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同音異義問題 その20

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同音異義問題 その19

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同音異義問題 その18

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同音異義問題 その17

同音異義問題シリーズを再開します。
今週から毎週木曜日の公開です。
シリーズの内容について、詳しくはコチラをご覧ください。

それでは、今週分の出題です。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください。

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文章題書き取り問題(7~12)

三日連続のPDF公開、本日最後の第3弾は「文章題書き取り問題」です。
「その7」~「その12」の問題を纏めたPDFを公開します。

「文章題書き取り問題(7~12)A」「文章題書き取り問題(7~12)B」という2種類のPDFがあり、それぞれ問題は6ページ、解答は1ページです。
前回同様、通常の書き取り形式、語選択の書き取り形式です。

語選択形式のPDFにも「ヒント」は載せておりませんので、ご注意ください。

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時間が経って見つけられない時のために、「文章題書き取り問題」の検索結果画面をリンクしておきます。→コチラ
PDFは複数ありますので、お間違いのないよう番号をご確認ください。



PDFを次々と公開しましたが、試験も近いですので、取捨選択してご利用いただければと思います。
上手くご活用いただければ幸いです。

文章題書き取り問題その12

文章題書き取り問題(選択形式)です。

語群(1~5):[かいれいけいこうこうがくちゅうこうはんちゅう]

◇印度日耳曼(ゲルマン)仙郷淹留説話、同時に神人配遇説話、即ちタンホイゼル説話と、支那国民の自然純朴なる、神仙譚の仙郷淹留説話とは、その一点に於いては、互いに一致するも、他の一点に於いて相異なれり。要するに此の両個は決して、同一の(1.)に属す可きものに非ず。而して、此の両者を併せ兼ねたるものは、即ち日本国民が古より伝えたる、最古日本説話の一にして、同時に日本説話宝庫を飾る、最も貴重なる宝珠の一に数う可き、(2.)優美なる浦島説話なり。(高木敏雄「比較神話学」より)

◇例えば、天明や天保のような困窮の時に於いて、富豪の物を収用するのは、政治的迫害に対して暗殺者を出すが如く、殆ど彼等の正当防衛で、必至の勢いです。此の時にはこれが将来の革命に利益あるや否やなどの利害を深く(3.)していることは出来ないのです。私は何の必要もなきに平地に波瀾を起こし、暴動を敢えてすることは、財産を破壊し、人命を損し、多く無益の犠牲を出すのみで、革命に利する処はないと思います。が、政府の迫害や富豪の暴横其の極みに達し、人民(4.)に転ずる時、之を救うのは将来の革命に利ありと考えます。左ればかかることは利益を考えていて出来ることではありません。其の時の事情と感情とに駆られて我知らず奮起するのです。(石川啄木「A LETTER FROM PRISON」より)

◇足利一族の裔である。室町将軍の血統が絶えたときは、吉良氏が世継ぎを出すことになっていたものだと云うことが、上野介のよく持ち出す自慢話であった。(5.)の先祖には、家康公の大伯母であった吉良義安などもあるし、名門には違いなかった。(吉川英治「新編忠臣蔵」より)

<ヒントの表示(1~5)>

語群(6~10):[きょうげききょうしょくはんぺいむりょめいてい]

◇ガランドウは国府津へ仕事に出掛けて、不在。折から彼の家で長男の元服祝いの終わった直後で、そのために近郷近在から搔き集めた酒、ビール、焼酒、インチキ・ウイスキーの類(6.)数十本の残骸累々とあり、手のつかない瓶もあって、僕はそれを飲み、ガランドウが仕事から帰って来たとき、僕は(7.)に及んでいた。(坂口安吾「真珠」より)

◇松方内閣組織せらるるに及び、人あり彼を誘うに文部大臣の椅子を以てす。彼冷然之を拒絶して敢えて応ぜず。客あり彼に逢うて其の理由を問う。彼曰く、余は学習院長として今方に其の改革に従事しつつあり。華族教育は余に於いて最大の職任にして、且つ最重の義務なり。何ぞ此を棄てて一伴食大臣の地位を望まんやと。蓋し彼は何時なりとも内閣大臣たるを得るの自信を有する者なり。故に彼は他の一般野心家の如く、必ずしも焦燥煩悶して大臣たらんとするものに非ず。必ずしも大臣の地位を最上の名誉と為すものに非ず。然れども彼は、華族が皇室の(8.)たるを念い、自ら華族の(9.)たらんと任ずるや太だ高し。其の気格の雄大なる其の品性の清高なる、固より華族の代表者として内外の信用を博するに足るは言うを俟たざるのみならず。彼は日本華族の改革者として最も力を此に致しつつあるは、亦世間の均しく認むる所なり。彼が曽て華族の腐敗を国家学会に痛論するや、一部の華族は彼を咎めて華族を侮辱したりと為し、太甚(はなは)だしきは彼を以て華族中の壮士と為すものありき。然り、其の言稍々(10.)に過ぐるものなきに非ざりしと雖も、華族の腐敗は天下の公認にして、独り彼一人の私言に非ず。彼豈好んで同族の醜事を暴露するものならんや。(鳥谷部春汀「明治人物月旦(抄)」より)

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「文章題書き取り問題」シリーズは、今回が今季最終回です。
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来週は「R1-1直前模試」を公開します。
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