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(一)
1.佝僂の者の蜩を承(と)るを見る。
2.粥粥として能無きが若し。
3.駻馬の驕嘶するを聞く。
4.嶢崢たる霊峰に挑む。
5.役所が贓蠹の巣窟と化す。
6.良賈は深く蔵して虚しきが如し。
7.戦況は猶激しく、流血漂鹵となる。
8.山野に餒士多し、市井に飢人無し。
9.彼の愿愨なところに惹かれる。
10.鴪隼が大空へと舞い上がる。
11.組織内の次第梯磴を重んじる。
12.涓埃の功に過ぎないと謙遜する。
13.日の躔度に因って年をなし時を分かつ。
14.昇進のために上司に佞諂する。
15.池沼を埋め立て、或いは瀦潦を切り落とす。
16.悪言は口より出ださず、苟語は耳に留めず。
17.数多の舸艦、舳を連ねて渡れり。
18.王が新たな地を選び奠鼎する。
19.領土内を隈なく馳驟する。
20.鴨跖草を解熱のために用いる。
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21.猛虎の野に吼ゆるや、其の音懼る可し。
22.過去の失敗を憾んでも仕方がない。
23.苴に包まれた納豆を買う。
24.種種の奇しき術、殫くして究むべからず。
25.細かな指示の多さに殆困り果てる。
26.歪形の弁当箱を買う。
27.出掛けに掎き止められる。
28.錦を衣て絅を尚う。
29.教導師先ず躬ら身を捐つ。
30.自然醱酵により鶚鮨ができる。
(二)
1.魑魅モウリョウが跋扈する。
2.広大な庭でカキ園芸を楽しむ。
3.ニジり口から茶室へ入る。
4.敵の仕掛けたカンセイにはまる。
5.契約するにはインカを押す必要がある。
6.ナマコカベが特徴的な蔵だ。
7.会社に蔓延る腐敗のカクセイに努める。
8.トウテンの勢いで実力を伸ばす。
9.非行少年にシュンカイの気持ちが芽生える。
10.子供の泣きワメく声が聞こえる。
11.猛暑で汗がリンリとして流れる。
12.ユアみして体の汚れを落とす。
13.秋の夜長にフマキを繙く。
14.喜びのあまりベンブする。
15.新たな発見のためにタイエイ主義をやめる。
16.新たな発見のためにタイエイへ漕ぎ出す。
17.ノミの息も天に上がる。
18.ノミと言えば槌。
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19.制度の改革にナタを振るう。
20.カカ座に静かに座る。
(三)
1.見識の狭いたとえ。
2.月の初めの十日間。
3.文章を書きおえること。
4.垣根のように大勢で横に並び立つこと。
5.怠ること。怠けること。
おうてん、かくひつ、くがい、さんしょく、
じょうかん、とれつ、らんだ、れんびん
(四)
問1
1.( )一粟
2.( )震蕩
3.( )観色
4.( )屈節
5.( )便佞
6.長頸( )
7.金塊( )
8.博引( )
9.桂宮( )
10.突怒( )
あゆ、うかい、えんけん、さつげん、
しゅれき、そうかい、はくしん、ひきゅう、
ひょうこつ、ぼうしょう
問2
1.恨んでいる相手に共に立ち向かうこと。
2.書画のかけらや切れ端のこと。
3.失敗したあとに必要以上に注意すること。
4.好き放題に思ったことを喋ること。
5.男女が別れたまま再会できないこと。
区聞陬見、氷甌雪椀、瓶墜簪折、鼓舌揺脣、
零絹尺楮、敵愾同仇、閻浮檀金、懲羹吹膾
(五)
1.晩稲
2.魚籃
3.水馬
4.蝦蛄
5.刺楸
6.七葉樹
7.白屈菜
8.馬鞭草
9.柳葉魚
10.天名精
(六)
ア 1.嬪娥 … 2.娥しい
イ 3.濆泉 … 4.濆く
ウ 5.屯蹇 … 6.蹇む
エ 7.哢吭 … 8.哢る
オ 9.瑩徹 … 10.瑩らか
(七)
1.大廈
2.穎脱
3.詳緻
4.鴻毛
5.禁遏
6.孟浪
7.誚譲
8.樵蘇
9.蓍亀
10.殄殲
えきぜい、おうさつ、かしつ、かろ、
きょたん、しょうよう、すうじょう、そほん、
どたい、ばんきん
(八)
1.九仞の功をイッキに虧く。
2.ケイガイの知己。
3.西施のヒソみに倣う。
4.滄浪の水清まば以て我がエイを濯うべし。
5.シボクの信。
6.櫓を押してカイは持たれぬ。
7.キョウランは翼を交えず。
8.綿綿を絶たずんばマンマンを若何せん。
9.サイは投げられた。
10.テイトウも尚耳あり。
(九)
A 僕は芭蕉の漢語にも新しい命を吹き込んだと書いている。「蟻は六本の足を持つ」と云う文章は或いは1.セイコウであるかも知れない。しかし芭蕉の俳諧は度たびこの翻訳に近い冒険に功を奏しているのである。日本の文芸では少なくとも「光は常に西方から来ていた。」芭蕉も亦やはりこの例に洩れない。芭蕉の俳諧は当代の人々には如何に所謂モダアンだったであろう。
ひやひやと壁をふまへて昼寝かな
「壁をふまへて」と云う成語は漢語から奪って来たものである。「踏壁眠(かべをふまえてねむる)」と云う成語を用いた漢語は勿論少なくないことであろう。僕は室生犀星君と一しょにこの芭蕉の近代的趣味(当代の)を一世を2.フウビした所以に数えている。が、詩人芭蕉は又一面には「世渡り」にも長じていた。芭蕉の3.ルイを摩した諸俳人、凡兆、丈艸、惟然等はいずれもこの点では芭蕉にア.若かない。芭蕉は彼等のように天才的だったと共に彼等よりも一層苦労人だった。其角、許六、支考等を彼に心服させたものは彼の俳諧の群を抜いていたことも決して少なくはなかったであろう。(世人の所謂「徳望」などは少なくとも、彼等を4.ギョする上に何の役に立つものではない。)しかし又彼の世渡り上手も、――或いは彼の英雄的手腕も巧みに彼等を5.ロウラクした筈である。芭蕉の世故人情に通じていたことは彼の談林時代の俳諧を6.イチベツすれば善い。或いは彼の書簡のイ.裏にも東西の門弟を操縦した彼の7.キホウ(注)は窺われるのであろう。最後に彼は元禄二年にも――「奥の細道」の旅に登った時にもこう云う句を作る「したたか者」だった。(注:鋭い勢い。鋭い攻撃。)…(中略)…
秋晴れたあら鬼貫(おにつら)の夕べやな
僕はこの句を惟然の作品中でも決して名句とは思っていない。しかし彼の風狂はこの句の中にも見えると思っている。惟然の風狂を喜ぶものは、――ウ.就中軽妙を喜ぶものは何とでも勝手に感服して善い。けれども僕の信ずる所によれば、そこに僕等を動かすものは畢(つい)に芭蕉に及ばなかった、芭蕉に近い或る詩人の8.ドウコクである。エ.若し彼の風狂を「とり乱している」と言う批評家でもあれば、僕はこの批評家に敬意を表することをオ.吝しまないであろう。(芥川龍之介「続芭蕉雑記」より)
B 象よ。キツプリングは昔お前の先祖が、鰐に鼻をカ.啣えられたものだから、未だにお前まで長い鼻をぶら下げて歩いていると云った。が、おれにはどうしても、あいつの云う事が信用出来ない。お前の先祖は仏陀御在世の時分、きっとガンヂス河の灯心草の中で、昼寝か何かしていたのだ。すると河の泥に隠れていた、途方もなく大きなキ.蛭が、その頃はまだ短かった、お前の先祖の鼻の先へ、吸いついてしまったのに違ひない。さもなければお前の鼻が、これ程大きな蛭のように、伸びたり縮んだりはしないだろう。象よ。お前は印度の名門の生まれだ。どうかおれの云った通り、あのキツプリングの説などは口から出放題のク.大法螺だと、先祖の9.エンを雪ぐ為に、一度でも好いからその鼻をあげて、10.ラッパのような声を轟かせてくれ。…(中略)…
祥瑞の江村は暮れかかった。藍色の柳、藍色の橋、藍色の茅屋、藍色の水、藍色の漁人、藍色のケ.蘆荻。――すべてがコ.稍黒ずんだ藍色の底に沈んだ時、忽ち白々と舞い上がるお前たち三羽の翼の色。――皿の外までも飛び出さなければ好いが。(芥川龍之介「動物園」より)
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(一)
1.くる
2.いくいく/しゅくしゅく
3.きょうせい
4.ぎょうそう
5.ぞうと
6.りょうこ
7.ひょうろ
8.だいし
9.げんかく
10.いつじゅん
11.ていとう
12.けんあい
13.てんど
14.ねいてん
15.ちょろう
16.こうご
17.じく
18.てんてい
19.ちしゅう
20.おうせきそう
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21.ほ
22.うら
23.つと
24.つ
25.ほとほと
26.いびつなり
27.ひ
28.うすぎぬ
29.みずか
30.みさごすし/みさごずし
(二)
1.魍魎
2.花卉
3.躪
4.陥穽/坎穽
5.印顆
6.海鼠壁
7.廓清/郭清
8.滔天
9.悛改/悛悔
10.喚/[叫]
11.淋漓
12.湯浴
13.文巻/帙
14.抃舞
15.退嬰
16.大瀛
17.蚤
18.鑿/鑽
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19.屶
20.嬶
(三)
1.甕天
2.上澣/上浣
3.擱筆
4.堵列
5.懶惰/嬾惰
(四)
問1
1.滄海
2.飄忽
3.察言
4.卑躬
5.阿諛
6.烏喙
7.珠礫
8.旁証
9.柏寝
10.偃蹇
問2
1.てきがい
2.せきちょ
3.ちょうこう
4.ようしん
5.しんせつ
(五)
1.おくて
2.びく
3.あめんぼ
4.しゃこ
5.はりぎり
6.とち
7.くさのおう
8.くまつづら
9.シシャモ
10.やぶたばこ
(六)
ア 1.びんが/ひんが
2.うつく
イ 3.ふんせん/ほんせん
4.わ/ふ
ウ 5.ちゅんけん
6.なや
エ 7.ろうこう
8.さえず
オ 9.えいてつ
10.あき
(七)
1.蝸廬
2.駑駘
3.粗笨/麤笨
4.万鈞
5.慫慂
6.虚誕
7.呵𠮟/訶𠮟
8.芻蕘
9.易筮
10.鏖殺
(八)
1.一簣
2.傾蓋
3.顰/嚬
4.纓
5.徙木
6.櫂
7.梟鸞
8.蔓蔓/縵縵
9.賽
10.鼎鐺
(九)
1.生硬(原文:正硬)
2.風靡
3.塁
4.御/馭
5.籠絡
6.一瞥
7.機鋒
8.慟哭
9.冤
10.喇叭
ア.し
イ.うち
ウ.なかんずく
エ.も
オ.お
カ.くわ
キ.ひる
ク.おおぼら
ケ.ろてき
コ.やや
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